◎後任はアマゾンウェブサービス(AWS)のCEOを務めるアンディ・ジャシー氏。
2月2日、アマゾンは声明でジェフ・ベゾス氏が最高経営責任者(CEO)を辞任し、取締役会の議長(エグゼクティブチェア)に就任すると発表した。
後任はアマゾンウェブサービス(AWS)のCEOを務めるアンディ・ジャシー氏。
ベゾス氏は社員に宛てた声明の中で、1994年に設立した会社が数十年で世界有数の巨大企業になったことを振り返った。
ジェフ・ベゾス氏:
「私は今回の移行にとても興奮しています。何百万もの顧客が私たちのサービスを利用し、100万人以上の従業員がアマゾンで働いています。同社のCEOは大きな責任を負わなければなりません」
「今後は取締役会の議長として、アマゾンの重要なイニシアチブに従事し続けるだけでなく、デイワンファンド、ベゾスアースファンド、ブルーオリジン、ワシントンポスト、その他の様々なビジネスに時間と情熱とエネルギーを費やしたいと考えています」
ベゾス氏は後任のジャシー新CEOについて、「卓越したリーダーになる」と太鼓判を押した。
ジャシー氏は1997年からアマゾンで働き、クラウドコンピューティング部門(AWS)の責任者として同社の成長と発展を支えてきた。
ブルームバーグによると、ベゾス氏の純資産は1,880億ドル(約20兆円)に上るという。なお、テスラ社のイーロン・マスクCEOは先日、ベゾス氏を世界一裕福な男の椅子から引きずり下ろした。
コロナウイルスの大流行はアマゾンの需要を後押ししている。
同社の2020年の売上高は前年比プラス38%の3,860億ドル(約40兆円)。年間損益は前年比のほぼ2倍、213億ドル(2.2兆円)の黒字を記録し、コロナを打ち負かした。
しかし、ベゾス氏とアマゾンの電子商取引分野における優位性は論争を巻き起こし、昨年7月、同氏と社の技術責任者は独占などに関する議会公聴会で証言するよう求められた。
ベゾス氏は2日の別の声明で、「私たちはクレイジーな発明をしました。しかし、それは普通のことになりました」と述べた。
ジェフ・ベゾス氏:
「ちょっとした発明でも、正しくやることが大切です。アマゾンの発明は今では普通になりました。人々はあくびをしながらアマゾンを利用します。あくびは発明者が受け取る最高の褒め言葉です」
一方、あるアマゾンの批評家は次のように述べた。
「アマゾンに騙されないでください。ジェフ・ベゾスは依然としてエグゼクティブチェアとして大きな力を持っています。アマゾンの虐待的かつ略奪的な独占は見直さなければいけません」