イスラエルのファイザーワクチン展開で有望な結果が示される

2021年2月2日 2021年8月22日 5分31秒

イスラエルのファイザーワクチン予防接種プログラムで、60歳以上のコロナ感染を減らす兆候が示された。

報告によると、予防接種の取り組みが最も進んでいる地域で大きな効果が出ていることが分かったという。

現地メディアは「ロックダウンだけでなく、ファイザーワクチンが効果的に機能している可能性が高い」と報じた。

イスラエル保健省（MoH）は、2回ワクチンを接種した60歳以上の市民、約75万人を調査した結果、コロナ検査で陽性を示した人は531人（0.07％）だったと発表した。なお、陽性と診断された531人のうち、重篤・重症・中程度で入院した人は38人だったという。

さらに、2回ワクチンを接種した市民、約100万人の「接種完了から7日以内」の医療記録も評価している。調査の結果、陽性と診断された人は約7,000人、重篤・重症・中程度の人は約700人、死亡した人は307人、ワクチン接種の副反応と思われる症状で死亡した人は3人だった。

＜調査1：60歳以上の市民75万人＞
・陽性者：531人（0.07％）
・重篤、重症、中程度：38人（0.005％）

＜調査2：接種完了から7日以内の市民100万人＞
・陽性者：7,000人（0.7％）
・重篤、重症、中程度：700人（0.07％）
・死亡者：307人（0.03％）
・死亡者（副反応）：3人（0.0003％）

イスラエルは1回目と2回目の投与間隔を3週間以内としている。なお、1回目の投与から少なくとも2週間は保護されるとは期待されていない。

現在、イスラエルの市民、約900万人のうち500万人がワクチンを1回接種し、約100万人が2回接種を終えている。

当局は、「ワクチンがウイルスの拡散を防ぐ効果があるかどうか」「接種者はコロナウイルスから完全に保護されるのか、それとも症状から保護されるのか」「変異種に対する効果」「ワクチンの保護期間」なども調査しており、接種を終えた人も引き続きマスクを着用し、社会的距離を確保するよう指示されている。

ワイツマン科学研究所、テルアビブ大学、イスラエル工科大学の研究チームは、ロックダウンではなくファイザーワクチンが症例の減少をもたらしたかどうかを調査した。

その結果、予防接種を受けた60歳の以上の市民および、予防接種率の高い都市の両方で症例と入院の大幅な減少が見られたという。

また別のチームは、2回ワクチンを接種した約24万人のうち66人（0.03％）が、接種完了から1週間以上経った後に陽性と診断されたと報告した。なお、66人はいずれも軽症で、入院した人はいなかったという。

マッカビヘルスケアサービスは接種を終えた人と未接種者の感染率を比較し、ファイザーワクチンが92％の確率で接種者を保護すると推定した。なお、ファイザー社の臨床試験（フェーズ3）の保護率は95％だった。

＜人口あたりワクチン接種率：2月1日時点＞
1位イスラエル 56.3％
2位 UAE 34.8％
3位イギリス 14.4％
4位バーレーン 10.1％
5位アメリカ 9.4％

・95％の確率で接種者を保護する。また、65歳以上の患者の保護率も94％を示した。

・2020年に最大5,000万回分、2021年に最大13億回分の投与を目指している。
※2021年末までに20億回分の供給を目指すと発表。

・2回接種する必要がある。

・輸送時の温度管理（ー75℃前後）が懸案事項。

・16歳の以上の人々に十分な安全を保証できる。

・1回の投与で強力な保護を得られると米食品医薬品局（FDA）は判断した。ただし、最高の保護を得るためには2回接種すべきと推奨。

・男女、異なる人種や民族に等しく効果を発揮する。