◎金正恩「2016年に策定した国家経済開発目標を達成することはできなかった。ほぼすべての分野で不十分だった」
◎韓国の専門家たちは、金正恩が韓国とアメリカに何らかのメッセージを送るのではないか、と注意深く見守っている。
2020年1月5日 韓国通信社/北朝鮮、金正恩

北朝鮮の指導者、金正恩は、1月5日に始まった大党大会(第8回朝鮮労働党大会)初日の演説で経済開発計画の失敗を認めた。

韓国通信社によると、金正恩は開会の演説の中で、「2016年に策定した国家経済開発目標を達成することはできなかった。ほぼすべての分野で不十分だった」と述べたという。

過去5年間の経済計画の進捗状況などを確認するために、約7,000人の党員が首都平壌に集まった。韓国の専門家は、「マスクを着用した党員の姿は確認できなかった。恐らく、北朝鮮はコロナウイルスを封じ込めた、と世界にアピールしたかったのだろう」と述べた。

金正恩:
「私たちの努力と進歩を妨げる課題は、外部と内部の両方に存在する」

「一連の前例のない危機は私たち自身の力、独立した能力を強化することによってのみ克服できる」

金正恩の妹、北朝鮮の副司令官と見なされている金与正は2列目の席に座り、労働党の行政機関の役人を引き連れていたと伝えられている。

韓国の専門家やアナリストは、今回の大会で金与正がより高い地位に昇格すると予想している。

2020年1月5日 韓国通信社/北朝鮮、大党大会

韓国のアサン政策研究所のゴー・ミョンヒョン氏はABCニュースの取材に対し、「キムが党員の前で失敗の理由に言及し、自己批判したことに驚いている」と述べた。

1979年に韓国に亡命した元北朝鮮将校のアン・チョンイル氏は、「北の指導者が失敗を受け入れることはめったにない」と語った。

アン・チョンイル氏:
「今年の大会の雰囲気は、金正恩の欲求を満たすために開催された2016年の第7回大会とは明らかに異なる」

韓国の専門家たちは、金正恩が韓国とアメリカに何らかのメッセージを送るのではないか、と注意深く見守っている。

アン・チョンイル氏はABCニュースの取材に対し、「キムはジョー・バイデン次期米大統領とまだ連絡をとっていない。彼は声明を出すかもしれない」と述べた。

韓国、アメリカ、拉致問題の解決に向けた交渉で困難に直面している日本などは、金正恩の穏やかなメッセージを期待している。

ソウル国立大学平和統一研究所のキム・フィロ准教授は、「現時点で、北が軍事的挑発を行う理由は見当たらない。北が世界最強の核武装国と対峙するほど無謀な国ではないと信じている」と述べた。

アサン政策研究所の客員研究員を務めるチャ・デュ・ヒョグン氏も、外部へのメッセージは穏やかなものになると予想した。

チャ・デュ・ヒョグン氏:
「国際的な注目を集めたいのであれば、元旦に何らかの行動を起こしたはず。キムはそれをしなかった。コロナ、自然災害、経済制裁に打ちのめされた今の北に行動を起こす体力はない

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