◎コロナウイルス変異種の確認に伴い、デンマーク国内の養殖ミンク、約1,700万匹が殺処分された。
◎掘り起こしは2021年5月開始予定。死骸は焼却処理される。
Getty Images/デンマーク、ミンク

デンマーク政府は声明で、コロナウイルスの変異種に感染したミンク数百万匹を集団墓地から掘り起こすと発表した。

当局者によると、約400万匹のミンクを掘り起こし、土地および周辺地域の汚染を防ぐために焼却処理する予定だという。

一度埋葬したミンクを掘り起こすタイミングは、「汚染のリスクがなくなる」2021年5月に始まる予定。なお、焼却処理は環境への影響を考慮しなければならず、環境当局の承認を得なければならない。

デンマーク政府は11月から養殖ミンク約1,700万匹の殺処分を開始し、EU最大の毛皮産業に大打撃を与えた。

先月末、西部のミンク殺処分処理場で、浅い地中に埋葬されたミンクたちが地上に姿を現し、大騒ぎになった。

専門家はペットセメタリーの原因について、「死骸の体内に溜まったガスがミンクの身体を膨張させ、浅い地中から姿を現したのだろう。浮上したのは上層に安置されたミンクだと思う。それは自然なプロセスだ」と述べた。

また、2つの集団墓地のうち1つは入浴湖のすぐ近く、もう1つは飲料水の水源近くに整備され、物議を醸している。一部の周辺住民は、水源および居住地エリアがコロナウイルス変異種に汚染される可能性もあると警告した。

デンマークの食品農業省は20日の声明で、「政府はミンクの掘り起こしと焼却処理を議会に提案し、支持を得た」と述べた。

食品農業省(声明):
ミンクの死骸は、コロナウイルスの感染リスクがなくなった(腐り果てた)タイミングで焼却処理する。死骸は商業廃棄物として処理されるだろう」

デンマーク政府は先月、コロナウイルス変異種がミンク農場で確認されたことを受け、全国の養殖ミンクを殺処分すると発表した。

政府は変異種がワクチンの有効性を脅かす可能性があると主張し、「将来のために対処しなければならない」と述べた。

しかし、政府は健康な動物の処理を命じる法的根拠がないにも関わらず、殺処分を開始。これは変異種の登場に焦った政府の失態であり、メッテ・フレデリクセン首相も「急いでいた」と過ちを認めている。その後、農相は責任を取って辞任した。

ロイター通信/デンマーク、ミンク
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