◎共和党のミッチ・マコーネル上院院内総務、新コロナ救済法案は近いうちに成立すると示唆。
◎マコーネル氏は記者団に、「救済が成立するまで上院を去るつもりはない」と誓約した。
COVID-19経済救済法案
・COVID-19経済救済法案:9,000億ドル
2020年????、上下両院の指導者、交渉中
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2020年????、下院通過
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2020年????、上院通過
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2020年????、トランプ大統領署名
・コロナ援助、救済、および経済安全保障法(CARES法):2.2兆ドル(230兆円)※2020年12月31日に失効
2019年7月下院通過
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2020年3月25日上院通過
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2020年3月27日下院、上院の修正に同意
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2020年3月27日トランプ大統領署名
12月15日深夜、共和党のミッチ・マコーネル上院院内総務は関係者との密談を終えた後、記者団に対し、「我々は大きな進歩を遂げており、近いうちに交渉を完了できると楽観視している」と語った。
コロナウイルスの感染が爆発的に拡大する中、「コロナ援助、救済、および経済安全保障法(CARES法)」は12月31日に失効する予定である。
失効と同時に、失業保険を提供する「パンデミック救済失業補償」と、自営業者およびパートタイム労働者を支援する「パンデミック失業支援プログラム」は終了する。また、トランプ大統領が大統領令で実施した学生ローンの猶予プログラムも終了する。
有給の病気休暇および、自営業者の家族の病気休暇に対する税額控除も失効する。
中小企業の所有者を支援するペイチェック保護プログラム(PPP)は8月に申請の受付を停止した。そして、連邦失業保険として提供されていた週600ドルは7月下旬にガス欠を起こしている。
マコーネル氏は、「ゴールは近づいている。誰もが終わらせたいと思っている。誰もが補償を提供したいと思っている。できるだけ早く最終合意を得たいと思っている。私たちは市民がそれを必要としていると知っている」と述べた。
下院のボス、民主党のナンシー・ペロシ下院議長はコロナ救済法案を完成させ、関係者と数カ月におよぶ濃密な交渉を続けてきた。
ペロシ下院議長は今週すでにスティーブン・ムニューシン財務長官と3回も会談している。
民主党のチャック・シューマ―上院少数党首は国会議事堂を去る際、記者団に対し、「両党は書類を交換している」と語った。
チャック・シューマ―上院少数党首:
「私たちは紙やアイデアを交換し、進歩を遂げている。今すぐ合意に達することができれば幸いだ。詳細には触れないが、関係者全員が合意に達することを真に望んでいると思う。私たちは働いて、働いて、働いている」
ペロシ下院議長とシューマー上院少数党首を含む超党派が承認したコロナ救済法案(9,080億ドル)の枠組みは次の通り。
・中小企業への支援:2,880億ドル
・州および地方政府への支援:1,600億ドル
・失業手当:1,800億ドル
・ワクチン配布、コロナ検査など:160億ドル
・教育:820億ドル
・ワクチンなどの輸送:450億ドル
・その他:1,370億ドル
市民への現金支給はカットされた。また、マコーネル氏の求める学校、医療施設、企業の保護予算も含まれていない。
そしてマコーネル氏は、コロナ救済法案を通過させる条件として、「州および地方政府への支援(1,600億ドル)の放棄」を求めており、民主党は厳しい選択を迫られていた。
民主党と共和党の超党派による訂正案は「緊急の問題」に対処することを目的としており、ほぼすべての予算枠組みに合意している。
しかし12月8日、ムニューシン財務長官が突然新しい救済案(9,160億ドル)を提案し、関係者による交渉は一段とややこしくなった。
ムニューシン財務長官の提案は、コロナ救済法案の予算をわずかに上回り、「州および地方政府への支援」も含まれてはいる。また、CARES法の残予算4,290億ドルもそれに加算される。なお、情報筋によると、共和党は市民への現金支給(600ドル)も合わせて実施する腹積もりだという。
しかし、新しい救済案には、超党派が必要不可欠と考える「失業手当(1,800億ドル)」が含まれていなかった。
マコーネル氏は記者団に、「救済が成立するまで上院を去るつもりはない」と誓約した。
ミッチ・マコーネル上院院内総務:
「私たちは去らない。私たちはあなたに保証する。救済が成立するまで、私たちは去りません」