目次
歴史
・1700年代
・1800年代
・1900年~第一次世界大戦
・第一次世界大戦~第二次世界大戦
・終戦から現在
基本情報(目次に戻る
国名:アイルランド共和国(Republic of Ireland)
首都:ダブリン(Dublin)
人口:5,068,050人(2020年推定)
面積:70,273㎢(北海道の0.84倍)
気候:海洋性気候
・最も寒い時季は1月と2月。(1日の平均気温:4~7℃)
・最も暖かい時季月は7月と8月。(1日の平均気温:14~20℃)
・内陸部の特に寒い地域では、年間80日以上雪が降ることも珍しくない。
・沿岸部は比較的暖かい。
・南西沿岸部は特に暖かい。
・年間降水量は750~1,300mm。山岳地帯は3,000mmを超える。
・風の強い地域は西沿岸部。
経済:
・先進国
・1984~2007年まで継続的な成長を遂げた。
・GDPは約3,985億ドル(2019年推定)
・2008年の不動産バブル崩壊で金融危機に陥った。
・2012年以降はプラス成長を維持している。
・多国籍企業が経済発展に大きく貢献している。
・経済自由度指数ランキングの上位国。
・ハイテク、ライフサイエンス、金融サービス部門に力を入れている。
・一人当たりGDPは世界トップクラス。
・主要産業はサービス。(GDPの約60%)
・コロナウイルスの影響で若者の失業率が上昇し、問題になっている。(2020年7月:16%)
人種:
・アイルランド人 82.2%(2016年国税調査推定)
・その他の白人 9.5%
・アジア人 2.1%
・黒人 1.4%
・その他
言語:
・英語 84%
・アイルランド語 11%(公用語)
・その他 5%
宗教:
・カトリック 78.3%(2016年国税調査推定)
・プロテスタント 4.2%
・東方正教会 1.3%
・イスラム教 1.3%
・無宗教 10.1%
・その他 4.8%
アイルランド共和国
政治(目次に戻る
大統領:マイケル・D・ヒギンズ(Michael D. Higgins)
首相:ミホル・マーティン(Micheál_Martin)
政治体制:共和制
・国家元首は大統領。
・二院制。
・上院(シャナズ・エアラン)の定数は60人。
・下院(ドイル・エアラン)の定数は160人。
・単独過半数を達成することは難しく、連立政権が一般的。
・現在の第一党は共和党。
法律:アイルランド憲法
・裁判所は「最高、控訴、高等、巡回、地方」の5つに分類される。
・司法権の独立を憲法で保障している。
渡航情報(目次に戻る
渡航情報:
・外務省ホームページ
・コロナウイルス注意情報発令中(2020年12月時点)
治安:良い
・近年、テロ事件は発生していない。
・反政府組織のアイルランド共和軍(IRA)は1997年に活動停止を宣言した。
・イスラム国(IS)関連のテロ組織の活動も現時点では報告されていない。
・お酒のトラブルに注意。
・窃盗、引ったくりに注意。
・欧州の中では治安の良い国に分類される。
マスメディア(目次に戻る
・新聞社は多数。
・国営テレビは2社。
・民間テレビ局は多数。
・ラジオ局は多数。
・検閲は緩いが、犯罪関連、児童ポルノ関連のサイトはブロックの対象になる可能性が高い。
・アイルランドの成人の80%以上が毎日ラジオを聞いている。
【国営メディア/設立年】
・アイルランド放送協会 1926年
・TG4(アイルランド語) 1996年
【民間メディア】
・Virgin Media Ireland
・スカイアイルランド
・Eir
軍隊(目次に戻る
2020年軍事力ランキング:99位
・軍人数:11.500人(推定)
即戦力 9,000人
予備兵 2,500人
・陸海空軍を保有
・国防予算:8.7億ドル
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1700年代
・アイルランド王国が成立したのは16世紀初頭と伝えられている。
・16世紀~18世紀の間、アイルランド王国は植民地戦争、紛争、革命、飢饉などに対処した。これからのトラブルで死亡した民間人は数十万~数百万人と伝えられている。
・1703年、1709年、1728年に新たな懲罰法を施行し、ローマカトリックとプロテスタントに反対する派閥や個人を厳しく取り締まった。この法でキリスト教は支配階級を独占した。
・1739年12月、グレートフロストと呼ばれる異常気象で農作物が壊滅。冬季の超低温状態は1741年まで続き、大飢饉につながった。(死亡者:推定25万人)
・1798年、プロテスタントに反対する協会が反乱を起こすも、鎮圧される。
1800年代
・1800年、アイルランド王国とイギリスが合併を宣言。
・1801年、「グレートブリテンおよびアイルランド連合王国」誕生。
・1829年、ローマカトリック救済法成立。
・1845年、大飢饉発生。主要作物のジャガイモが疫病でことごとく枯れたと伝えられている。
・大飢饉は1851年まで続き、その影響で人口は20~25%減少した。(死亡者:100万人以上、海外移住者:100万人以上)
・1848年、青年アイルランド隊が反乱を起こすも失敗。
・1867年、アイルランド共和主義者同盟が反乱を起こすも失敗。
・1879年、土地戦争勃発。
・当時、アイルランドの土地をほぼすべて所有していたイギリス人はアイルランドの農民に土地を貸し、法外な賃料収入を得ていた。
・大飢饉前の人口は約800万人だったが、1911年には440万人まで減少したと伝えられている。
1900年~第一次世界大戦
・イギリスとの連合に反対する派閥が内政自治法案を議会に提出。
・1870年、1881年、1903年、1909年、農地改革。イギリス人地権者から土地を「購入」できるようにした。
・1913年、内政自治に反対する派閥がアルスター義勇兵を結成。
・1914年、内政自治の議会通過を狙う派閥がアイルランド義勇軍を発足。
・1914年、イギリス議会がアイルランド政府法を可決。アイルランドの自治を確立させたが、第一次世界大戦の影響でその年の施行は見送られた。
・1914年7月、第一次世界大戦勃発。グレートブリテンおよびアイルランド連合王国は最前線で中央同盟国と戦った。
・1916年4月24日、イースター蜂起勃発。(アイルランドの反政府勢力vsイギリス軍)
・アイルランドの反政府勢力は、連合関係の解消とアイルランド共和国の独立を求めた。
・1916年4月29日、イースター蜂起終結。イギリス軍の勝利。両軍の死亡者は合わせて200人以上。民間人260人が殺害された。
・1918年初頭、イギリス政府、アイルランドに徴兵制を課す法案を提出、賛成多数で可決された。(施行されず)
・アイルランド徴兵法はアイルランド独立戦争に大きな影響を与えた。
・1918年11月、第一次世界大戦終結。(アイルランド軍の死亡者:約50,000人)
第一次世界大戦~第二次世界大戦
・1918年12月、議会選挙。独立を支持するシン・フェイン党が大勝する。
・1919年1月21日、シン・フェイン党が「アイルランド共和国」の独立を宣言。
・1919年1月21日、アイルランド独立戦争勃発。(アイルランド共和国vsイギリス軍)
・1921年7月11日、アイルランド独立戦争終結、両軍の死亡者数は約2,000人。
・1921年12月6日、英愛条約締結。
・1922年6月28日、アイルランド内戦勃発。(シン・フェイン党vsアイルランド共和軍)
・1922年12月6日、アイルランド憲法施行。「アイルランド自由国」誕生。
・アイルランド自由国誕生時、人口の92.6%がカトリック教徒、残りがプロテスタントだった。
・1923年5月24日、アイルランド内戦終結、シン・フェイン党の勝利。両軍合わせて1,000~2,000人(民間人含む)が死亡したと伝えられている。
・1937年12月29日、アイルランド新憲法施行。
・1939年9月1日、第二次世界大戦勃発。アイルランド自由国は「中立」を宣言したが、志願兵約50,000人を連合軍に送った。
・1945年9月2日、第二次世界大戦終結。
終戦~現在
・1949年4月18日、「アイルランド共和国」が独立を宣言。
・1955年12月、国連に加盟。
・1961年7月、欧州共同体(EC)への加盟を申請。しかし、弱々しい経済力と保守的な貿易政策が反発を招き、承認までに10年以上かかった。
・1960年代、アイルランド共和軍(IRA)を中心とする大規模な公民権運動が各地で発生した。これに対し政府は、IRAだけでなく他の反政府組織も力でねじ伏せた。
・北アイルランドが弾圧されるIRAを保護する目的でイギリス政府に支援を求める。
・1969年、暫定アイルランド共和国軍(暫定IRA)誕生。
・イギリス政府は暫定IRAをテロ組織に指定。アイルランド共和国も違法組織に指定した。
・暫定IRAは政府軍、アルスター義勇兵、公式IRA、イギリス軍などと戦い、民間人3,000人以上が死亡したと伝えられている。
・1973年1月1日、ECに加盟。
・1973年、欧州経済共同体(EEC)に加盟。
・1998年4月10日、ベルファスト合意に署名。(アイルランド共和国とイギリス)
・1999年12月2日、ベルファスト合意施行。アイルランド北部地域にある程度の自治権がもたらされた。
・2005年、暫定IRAが活動終了を宣言。国際監視団による監視のもと、兵器類を処理した。
・1990年代半ば~2000年代後半、アイルランド共和国の経済は多国籍企業の活躍に支えられて、急速に発展。期間中のGDP伸び率は9%以上を維持した。
・2008年、不動産バブル崩壊による金融危機に直面。(2008年のGDP伸び率ー3%、2009年はー7.1%)
・2011年、バチカン市国の大使館を閉鎖。カトリック教会の信頼性と有効性に疑問を呈し、厳しい措置を実行した。
・2012年以降はプラス成長を維持。
・イギリス、ブレグジット後の貿易協定について「EUが譲歩しなければ終わり」と警告
文化(目次に戻る
・アイルランド語を話すアイルランド人が減少している。
・ジャガイモが生活に深く浸透している。
・ファーストフードの影響で、伝統的なアイルランド料理の人気が薄れている。
・ハイカロリーな料理がアメリカなどから持ち込まれた影響で、近年、心臓病の発症率が急上昇している。
・アイルランド人はパブをこよなく愛している。
・職場で喫煙を禁止する法律を世界で最初に導入した。
・タバコには厳しいがアルコールには優しい。
・美術館やアートギャラリーを好み、全国に関連施設が多数存在する。
・ハリウッドの人気監督兼俳優のケネス・ブラナーはアイルランド出身。
スポーツ(目次に戻る
・人気スポーツはサッカー、ラグビー、ゲーリックフットボール、ハーリング、ゴルフ、馬術、バスケットボール、クリケット、ハンドボールなど。
・ゲーリックフットボールは手を使えるサッカー。(アイルランドの伝統スポーツ)
・ハーリングもアイルランド発祥のスポーツ。
・ラグビーアイルランド代表は世界でトップを争う強豪チーム。
・オリンピックの獲得メダル数は31個。(冬季は0個)
【有名スポーツ選手】
・パドレイグ・ハリントン(Pádraig Harrington)ゴルフ、全英オープンなどのPGAメジャータイトルを制覇。
・ケイティ・テイラー(Katie Taylor)ボクシング選手、オリンピック金メダリスト。
・ミシェル・スミス(Michelle Smith)水泳選手、オリンピック金メダリスト。
その他(目次に戻る
・独立戦争、内戦、紛争、飢饉などの困難を経験し、中立国になった。
・欧州を代表する先進国のひとつに成長した。