イラン革命防衛隊の副司令官、アリ・ファダビ氏は、11月27日のモーセン・ファクリザデ氏暗殺に「人工知能を搭載した衛星制御の機関銃」が使用されたと述べた。
イランの核開発計画で重要な役割を果たしたと言われているファクリザデ氏は、首都テヘラン郊外で襲撃を受け、射殺された。
アリ・ファダビ氏は地元メディアの取材に対し、「ピックアップトラックに搭載された武器は、ファクリザデ氏の横にいた妻に弾を当てなかった」と語った。
イラン当局は暗殺を「イスラエルと追放された野党グループの犯行」と断言している。
最高指導者のアヤトラ・アリ・ハメネイ氏は、「雷のように加害者を攻撃する」と声明を発表した。
暗殺現場:ダマヴァンド郡アブサード
イラン当局は暗殺に関する情報を訂正している。
11月27日、イラン国防省は、ファクリザデ氏のボディガードと武装テロリスト数人の間で銃撃戦になったと発表した。
また、「テロリストと思われる3~4人が殺害された」「襲撃に使用されたピックアップトラックが現場で爆発した」という情報も伝わっていた。
しかし、イラン最高国家安全評議会のアリ・シャムハーニー書記はファクリザデ氏の葬儀の演説で、「暗殺は電子機器を使用した非常に複雑な任務だった。現場には誰もいなかった」と以前の情報を訂正した。
アリ・ファダビ氏は12月6日に首都テヘランで開催された式典の演説で、「ピックアップトラックに搭載された機関銃は、ファクリザデ氏だけを暗殺できる高度な衛生システム、人工知能を供えていた」と語った。
アリ・ファダビ氏:
「ファクリザデ氏の25cm横にいた妻に弾は当たらなかった。機関銃は標的の顔に狙いを合わせていた」
「トラックから発射された弾丸は13発。ファクリザデ氏は4発被弾した。現場に加害者はいなかった」
イスラエルの公共ラジオは、「治安当局が何人かの元核科学者に警戒を怠らないよう警告した」と報じた。また報道によると、元科学者はネゲブ砂漠にある極秘の核サイト、ディモナ原子炉で働いていたという。
BBCニュースによると、イスラエル政府はこの警告についてコメントしなかったという。
モーセン・ファクリザデ氏について
・イランで最も有名な核科学者。
・エリートイスラム革命防衛隊の上級将校。
・イランの核開発計画において、非常に重要な役割を果たしていると言われてきた。
・2018年にイスラエルが入手した機密文書によると、核兵器の製造プログラムを主導していたという。
・ニューヨーク・タイムズ紙は、マンハッタン計画を指揮したロバート・オッペンハイマー氏とファクリザデ氏を比較している。
・かつてイスラエルのベンヤミン・ネタニヤフ首相はファクリザデ氏について言及し、「その名を覚えておくように」と述べている。
・1989年に設立された核爆弾を製造する秘密プログラム、「プロジェクト・アマド」を率いていたと言われている。