▽米国への輸出品の約7割にもともと10%の関税がかけられていた。
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南米ペルーの中央銀行は11日、トランプ米政権による相互関税が同国に与える影響は限定的という見方を示した。
中銀のチーフエコノミストであるアルマス(Adrian Armas)氏は記者会見で、「ペルーの主要輸出品である金属と農産物に対する関税は想定の範囲内である」と語った。
それによると、米国への輸出品の約7割にもともと10%の関税がかけられていたという。
アルマス氏は「米政府の追加関税で残り3割、エネルギーや重要な鉱物などにも10%の関税がかけられたが、影響は限定的と予想している」と述べた。
トランプ(Donald Trump)大統領は9日、物議を醸している相互関税について、国・地域ごとに設定した上乗せ部分を90日間停止すると発表。一律10%の基本関税は維持するとした。ペルーは10%である。
アルマス氏は「国内企業は米国との取り引きを継続することになるだろう」と述べた。
ペルーは世界屈指の銅生産国であり、ここ数年の価格高騰で大きな利益を得ている。銅の価格は昨年、史上最高値を更新。現在も需要の拡大が続く一方、供給量は不足している。
米政府は先月、銅製品を関税対象に加える予定と明らかにしたが、今のところ対象にはなっていない。銅が欠かせない半導体も同様である。
ペルーの国家統計機関INEIは25年第1四半期(1~3月)の経済成長率をプラス4%程度と見積もっている。公式統計は5月中旬に発表される予定だ。
中銀は10日、政策金利を3会合連続で4.75%に据え置いた。同国の金利はラテンアメリカで最も低く、2023年9月以降、7.75%から徐々に引き下げている。