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▽この協議は7日以降も続く予定。詳細は明らかになっていないが、コンゴ東部紛争の停戦について協議したとみられる。
2025年1月31日/コンゴ民主共和国、反政府勢力M23(3月23日運動)が参加する「コンゴ川同盟」の指導者コルネイユ・ナンガア氏(ロイター通信)

アフリカ中央部・コンゴ民主共和国政府と反政府勢力M23(3月23日運動)が先週、カタール・ドーハで非公開の協議を行った。現地メディアが6日に報じた。

それによると、この協議は7日以降も続く予定。詳細は明らかになっていないが、コンゴ東部紛争の停戦について協議したとみられる。

双方は4月9日にドーハで直接会談し、東部紛争について協議する予定であったが、何らかの理由で前倒しされたようだ。

ロイター通信は情報筋の話しとして、「仲介国のカタールとアンゴラが交渉を前倒しするよう提案した」と伝えている。

それによると、この協議は前向きなもので、M23は政府に歩み寄る施設を見せ、東部・北キブ州の要衝ワリカレから部隊を撤退させたという。

コンゴ政府とM23は公式声明を出していない。4月9日の協議は予定通り行われるとみられる。

M23が主導する「コンゴ川同盟」は1月末に東部の最大都市である北キブ州ゴマを占領。その後、東部第2の都市である南キブ州ブカブに進軍、制圧した。

コンゴ政府は東部紛争における今年の死者数が7000人を超えたと報告している。

欧米諸国は隣国ルワンダによるM23への軍事支援を非難。一部の国は援助を停止した。

ルワンダ軍はM23を積極的に支援し、ゴマ市内で堂々と活動中。ゴマ郊外でコンゴ軍と交戦中という情報もある。

コンゴ川同盟は先月、支配下に置いた北キブ州の要衝ワリカレから部隊を撤退させると表明。国連はこの決定を歓迎し、撤退を機に停戦交渉を加速させるよう促した。

しかし、M23はその後、国軍とその支援民兵がワリカレに攻撃ドローンを送り込んできたと主張。撤退を取り消した。

ワリカレの人口約1万5000人。ゴマの北西約125キロに位置し、第4の都市キサンガニの400キロ圏内にある。

東部4州の主要道路がワリカレを通過する。国軍はこの町を失ったことで、東部4州の主要都市にアクセスしづらくなった。

AP通信はワリカレの住民の話しとして、「M23は町から部隊を撤退させたが、すぐ近くで爆発音が聞こえるため、戦闘は続いているとみられる」と伝えている。

コンゴのチセケディFélix Tshisekedi大統領とルワンダのカガメ(Paul Kagame)大統領は先月ドーハで会談。その後、仲介国のカタールおよびアンゴラと共に「即時かつ無条件の停戦」を求める共同声明を出した。

しかし、M23はこれを一蹴し、国軍に武器を置き、チセケディ氏を逮捕するよう求めている。

カタールは先月末にもコンゴとルワンダの第2回協議を仲介。M23の代表団は仲介者を通じてコンゴ政府と協議していた。

M23はルワンダとウガンダの支援を受けていたコンゴのツチ族武装集団の元戦闘員で構成され、2009年3月に締結された和平協定により、コンゴ軍に編入された。

しかし、M23の戦闘員はコンゴ軍に編入された後もルワンダ国境付近で活動を続け、13年の紛争に敗れるとルワンダやウガンダに逃亡。21年11月頃から活動を活発化させ、北キブ州の複数の集落を占領した。

コンゴ、米国、国連安保理はルワンダ政府がM23を支援していると指摘。ルワンダは長年、この主張を否定してきた。

1994年のルワンダ大虐殺に関与したとされるフツ族の住民数千人がコンゴ東部に逃げ込んで以来、両国の関係は緊張状態にある。

M23はコンゴに逃げ込んだフツ族の掃討を目指しているものとみられる。ルワンダはコンゴ政府が組織的に大虐殺の加害者であるフツ族を匿っていると主張している。

ルワンダ大虐殺の犠牲者は80万~100万人と推定されている。フツ族の過激派はツチ族だけでなく、フツ族の穏健派も殺害した。

国連はコンゴ国内で活動するルワンダ兵を最大4000人と推定している。

政府とM23による戦争は世界最大級の人道危機に発展。700万人以上が避難を余儀なくされている。

ゴマには国連コンゴ民主共和国安定化ミッション(MONUSCO)の本部と南部アフリカ地域圏の基地があり、郊外の避難民キャンプでは数百万人がテント生活を送っている。

M23はブカブ近郊の空港も占拠した。

国際社会はこの紛争が1990年代から2000年代の第2次コンゴ戦争のような規模に発展することを恐れている。この戦争では500万~600万人が死亡したと推定されている。

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