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▽コスタリカの人口は約520万人。23年の殺人件数は906件で、22年の654件を大幅に上回り、過去最高を更新した。
2025年4月5日/エルサルバドル、中部テコルカの刑務所(AP通信)

中米コスタリカの政府高官が4日、世界最高レベルの警備体制を誇るエルサルバドルの巨大刑務所を視察した。

バルベルデ(Gerald Campos Valverde)治安相は記者会見で、「エルサルバドル政府はギャングとの戦いで素晴らしい結果を出した」と称賛。「今回の視察で得た知見をコロンビアの治安改善に役立てる」と述べた。

コスタリカのチャベス(Rodrigo Chaves)大統領は昨年11月、エルサルバドルのブケレ(Nayib Bukele)大統領に同国の最高栄誉である国家勲章を授与した。

チャベス氏はブケレ氏の対ギャング掃討作戦を絶賛し、「その効果はエルサルバドルだけでなく、周辺国にも波及している」と強調した。

ブケレ氏は2022年3月、ギャング関連の殺人事件が多発したことを受け、非常事態を宣言。刑法を改正するなどしてギャング掃討作戦を本格化させた。

それ以降に逮捕されたギャングまたはギャングと疑われる市民は8万4000人を超え、うち約1万人が証拠不十分で釈放されている。

非常事態令により、警察の権限は大幅に強化され、結社の自由や弁護人を選任する権利なども制限。警察は令状なしで家宅捜索を行ったり被疑者を拘束できるようになった。

また刑法改正により、ギャングに所属し逮捕された幹部の懲役刑は6年以上9年以下から「40年以上45年以下」、その他の構成員は3年以上5年以下から「20年以上30年以下」に引き上げられた。

ブケレ政権の掃討作戦により、国内のギャングはほぼ壊滅し、エルサルバドルは世界で最も危険な国から、中米で最も安全な国に豹変。23年の殺人事件は214件で、2015年に記録した6600件の30分の1に激減した。

ブケレ氏と与党・新思想党(NI)の支持率は90%前後で推移している。

バルベルデ氏は巨大刑務所について、「基本的人権が尊重されているのを目の当たりにした」と述べた。

同刑務所の所長は約70人の受刑者を収容する独房のひとつをバルベルデ氏に見せた。

コスタリカの人口は約520万人。23年の殺人件数は906件で、22年の654件を大幅に上回り、過去最高を更新した。

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