▽アルゼンチンの経済はインフレ率の低下と財政安定化を目的としたミレイ大統領の厳しい緊縮政策によって大きな打撃を受けている。
![](https://kagonma-info.com/wp-content/uploads/2024/06/2024年6月12日/アルゼンチン、首都ブエノスアイレス、ミレイ政権の税制改革に抗議する女性(Getty-Images/AFP通信).jpg)
アルゼンチンの中央銀行は6日、今年の市場予測調査を更新し、消費者物価指数(CPI)を下方修正した。
それによると、今年の年間インフレ率は23.2%を予測。先月のデータより2.7%低くなった。
24年12月のインフレ率は前年同月比2.7%増。24年1~12月のインフレ率は118%となり、ピーク時の半分以下まで低下している。
アナリストたちは1月のインフレ率を前年同月比2.3%増と予想している。
またアナリストたちは25年末までの経済成長率予測を0.1%ポイント上方修正し、4.6%とした。
調査は1月29~31日にかけて行われ、コンサルタント会社、リサーチセンター、金融機関など39社が参加した。
年間インフレ率は昨年4月の290%から大幅に低下したものの、それでもまた3桁台を維持している。
アルゼンチンの経済はインフレ率の低下と財政安定化を目的としたミレイ(Javier Milei)大統領の厳しい緊縮政策によって大きな打撃を受けている。
ミレイ氏は過去の左派政権が残した負債を一掃すると誓い、緊縮財政を推進。手厚い補助金を軒並み削減、物価統制を廃止し、通貨切り下げを含む抜本的な経済改革に着手した。
その結果、インフレ率は1桁台まで低下。16年ぶりに四半期ベースで財政黒字を達成するなど、多くの経済的成功を収めてきた。
しかし、補助金頼みの生活を送ってきた低所得者層はミレイ氏の激しいショック療法に耐え切れず、生活環境が悪化。貧困率は24年上半期時点で50%を超えた。
中銀は先月末、インフレ率が低下傾向にあるとして、基準金利を32%から29%に引き下げた。
統計局は2月13日に1月のインフレ率データを。3月19日に24年最終四半期の経済成長率データを公表する予定だ。