▽ベオグラードの最高裁判所前に集まったグループは情報機関がデモ参加者本人やその家族に圧力をかけていると非難した。
セルビアの首都ベオグラードで12日、政府与党と北部ノビサドの駅天井崩落事故に抗議するデモ行進や集会が行われ、数千人の学生が参加した。
このデモは各地の学生ユニオンが主催。多くの学生が講義をボイコットし、政府に説明を求めるため、デモに参加している。
この結果、国内の大学の大半が閉鎖される事態となった。
この事故はノビサド市中心部の鉄道駅の入り口で昨年11月1日に発生。コンクリート製の天井が突然崩落し、6歳の少女を含む15人が死亡、2人が重傷を負った。
ベオグラードの最高裁判所前に集まったグループは情報機関がデモ参加者本人やその家族に圧力をかけていると非難した。
公共放送を含む政府系メディアは学生ユニオンを「犯罪者の巣窟」と評し、その一部が外国の諜報機関で働いていると主張。何人かの学生の個人情報を公表した。
AP通信は関係者の話しとして、「情報機関BIAがデモ参加者を脅して個人情報を集めている」と報じた。
公共放送に個人情報を暴露されたという男性はAPに、「情報機関の職員は私の両親を脅し、個人情報を収集したうえで、今後デモに参加したら、家族が被害を受けることになると警告した」と語った。
公共放送はBIAを通じて個人情報を入手、公開したという人権団体や野党の主張を否定している。
一部の政府系メディアはデモの主催者や関係者の住所、電話番号、家族構成、写真などを公表している。
この抗議デモはブチッチ(Aleksandar Vucic)大統領に難題を突きつけている。大学は1カ月以上閉鎖されたままだ。一部の学生たちは学部内でキャンプをしている。
検察は昨年末、ベシッチ(Goran Vesic)前建設相を含む13人を起訴した。13人は公共の安全に対する重大な犯罪行為と公共工事で不誠実な対応をした罪に問われている。有罪が確定すれば、12年以下の懲役刑に処される可能性がある。