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ノーベル平和賞受賞者のマララ・ユスフザイ(Malala Yousafzai)氏は12日、イスラム教の指導者たちに対し、ジェンダー・アパルトヘイト(性別による隔離や差別を表す言葉)を国際法上の犯罪とする取り組みを支持するよう促した。
ユスフザイ氏は母国のパキスタンで開催された国際フォーラムで演説。アフガニスタンのタリバン暫定政権による女性・女児への差別的な扱いに声を上げるよう呼びかけた。
またユスフザイ氏は、「10代の少女を学校から、女性を大学や職場から締め出すなど言語道断である」と断じ、イスラム教徒の指導者に対し、タリバンの政策に異議を唱えるよう促した。
タリバンはアフガンの文化とイスラム法の解釈に従って女性の権利を尊重すると主張している。
タリバンの報道官はユスフザイ氏の発言に関するコメントを出していない。
2021年の政変以来、タリバンをアフガンの正当な政府と認めて国はひとつもない。
西側の外交官たちは承認へのステップとして、女性の権利に関する方針転換が必要と主張している。
旧タリバン政権は1996~2001年までアフガンを支配していた際、女子の就学を禁止したが、米国の軍事作戦後、女性の権利を侵害する法律は撤廃された。
ユサフザイ氏は女子教育の提唱者としてノーベル平和賞を受賞。15歳の時にパキスタンの過激派TTP(パキスタンのタリバン運動)に頭部を撃たれ、重傷を負った。