▽米国は今年4月にフィリピン北部に中距離ミサイルシステム(MRC)タイフォンを配備。定期的に共同訓練を行っている。
中国政府は23日、フィリピンの中距離ミサイル配備計画を非難し、地域の緊張を煽る挑発的な動きであると主張した。
フィリピン陸軍のガリド(Roy Galido)中将は23日、首都マニラの記者団に対し、「南シナ海での中国との緊張が高まる中、自国の領土を防衛するために中距離ミサイルシステム(MRC)タイフォンの取得を計画している」と語った。
またガリド氏はこの計画について米国と交渉中であると述べた。
さらに、「軍が新たな兵器システムを取得するには、計画段階から少なくとも2年以上かかる」とし、25年予算にはまだ計上されていないと強調した。
米国は今年4月にフィリピン北部にタイフォンを配備。定期的に共同訓練を行っている。
中国は米国によるフィリピンへの軍事支援に反対しており、特にタイフォンの配備を警戒している。
バイデン政権は中国に対抗するため、台湾をめぐる対立を含め、インド太平洋地域における軍事同盟を強化してきた。
中国外務省の報道官は「フィリピンによる兵器配備は地政学的対立と軍拡競争を激化させる」と述べた。
また報道官はタイフォン取得計画を「極めて無責任」と非難した。
タイフォンは米航空防衛機器大手ロッキード・マーチンが陸軍向けに開発した地上配備型MRC。射程距離は480キロ。現在、長距離版の開発が進められている。