◎サラ氏は先月、自身が暗殺された場合、マルコス・ジュニア氏とその妻、下院議長を殺害するために暗殺者と契約を結んだと明らかにした。
フィリピンのサラ・ドゥテルテ(Sara Duterte)副大統領は11日、マルコス・ジュニア(Ferdinand Marcos Jr.)大統領への脅迫に関連する公聴会を欠席した。
当局はサラ氏に出頭するよう要請していたが、代わりに弁護士を派遣。弁護士は公聴会で、「国家安全保障を脅かす脅迫を行ったという関係当局の告発を拒絶する」と述べ、書簡を提出後、退席した。
サラ氏は先月、自身が暗殺された場合、マルコス・ジュニア氏とその妻、下院議長を殺害するために暗殺者と契約を結んだと明らかにした。
当局はこの事態を受け、サラ氏に召喚状を送り、マルコス・ジュニア氏との争いの詳細を明らかにするよう命じた。
マルコス・ジュニア氏とサラ氏は2022年の大統領選で勝利して以来、仲違いしている。フィリピンでは副大統領も選挙で選出するため、同国を代表する2つの派閥がポストを占める結果となっている。
マルコス家とドゥテルテ家はフィリピンで最も強力な一族であり、激しい権力争いを繰り広げてきた。
今回の暗殺論争の背景にはサラ氏の父であるドゥテルテ(Rodrigo Roa Duterte)前大統領とマルコス・ジュニア氏の確執がある。政府は国際刑事裁判所(ICC)の要請に応じ、ドゥテルテ氏の身柄引き渡しを検討している。
フィリピンはドゥテルテ氏が大統領だった2019年にICCから脱退した。
公聴会の広報担当は記者団に対し、「サラ副大統領の調査は同氏の公聴会欠席や証言の有無にかかわらず進められ、1月初旬までに司法省に報告書を提出する」と語った。
公聴会は11月29日に開始される予定であったが、サラ氏の要請で延期されていた。
サラ氏は11日、記者団に対し、「この調査が公正なものだとは思わない」と語った。「彼らは最初から私を立件すると決めていました。彼らはそういう奴らです」
2人は南シナ海の係争地における中国へのアプローチなどをめぐって対立。サラ氏は6月に教育相を辞任した。
サラ氏は自身が暗殺される可能性があるという疑惑の詳細を明らかにしていない。