◎ネタニヤフ氏は声明で、ゴラン高原の緩衝地帯を確保し、問題が起きた時に対処する用意を進めていると明らかにした。
2024年12月7日/シリア、首都ダマスカス、アサド政権の崩壊に歓喜する市民(AP通信)

イスラエルのネタニヤフ(Benjamin Netanyahu)首相は8日、シリアの争乱を受け、イスラエル軍がゴラン高原の緩衝地帯を確保したと明らかにした。

イスラム過激派組織「タハリール・アルシャーム機構(HTS)」とその同盟組織は先月、アサド政権の支配下にある北部アレッポ県に攻め込み、全土を制圧。正規軍への攻撃を本格化させた。

HTSはその後、中部の要衝ハマに侵攻。第3の都市ホムスもあっさり制圧した。

HTSは7日、首都ダマスカスを制圧し、アサド政権の終焉と「復讐のない新時代」の始まりを宣言した。

ネタニヤフ氏は声明で、ゴラン高原の緩衝地帯を確保し、問題が起きた時に対処する用意を進めていると明らかにした。

イスラエルは1967年の第三次中東戦争でゴラン高原をシリアから奪い取り、合わせてガザ地区、シナイ半島、ヨルダン川西岸地区、東エルサレムを占領した。

ゴラン高原はイスラエルの人気観光地であり、ホテルやレストランが立ち並び、ほとんどの住民はヘブライ語を流暢に話す。住民とイスラエル当局が衝突することはほとんどない。

アサド(Bashar Assad)大統領は家族を連れて国外に逃亡したことが確認されている。目的地は明らかになっていないが、欧米の複数のメディアがロシアの首都モスクワと報じている。

イラン政府は8日の声明で、「シリアは外国の干渉なしに自国の将来を決めるべき」と主張した。

反体制派はアサド政権の同盟国であるロシアとイランが別の戦争に気を取られているスキを突き、50年に渡る独裁体制に終止符を打った。

アサド氏を支援してきたレバノンの過激派ヒズボラもイスラエルとの戦争で弱体化している。

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