◎チャドはサヘル地域でフランスが大規模な軍事的プレゼンスを維持している同盟国のひとつであり、長年にわたりイスラム過激派と戦ってきた。
アフリカ西部・チャドの首都ンジャメナで駐留フランス軍に抗議するデモが続いている。
政府は先週、国家の主権を再定義するため、旧宗主国であるフランスとの防衛協定を終了すると発表した。
ンジャメナ市内で6日に行われたデモには数百人が参加し、「フランス出ていけ」「ロシアと協定を結ぼう」などと書かれた横断幕が掲げられた。
フランスはサヘル地域のイスラム過激派に対処するため、チャドに約1000人の部隊を駐留させている。
チャド政府は駐仏軍が撤退する時期を明らかにしていない。
一部のデモ参加者はフランス兵が駐留する空軍基地近くで退去を求めた。駐フランス大使館の前でも数十人が声を上げた。
デモに参加した男性はAP通信の取材に対し、「フランスが出ていけば、チャドはもっと平和になる」と語った。
チャドはサヘル地域でフランスが大規模な軍事的プレゼンスを維持している同盟国のひとつであり、長年にわたりイスラム過激派と戦ってきた。
軍事政権が統治する隣国のマリ、ブルキナファソ、ニジェールはフランスとの関係を断ち、ロシアに接近。ロシアは広大なサヘル全域に民間軍事会社ワグネルや正規軍の兵士を配置し、イスラム過激派を掃討している。
チャドの人口は約1800万人。世界で最も貧しい国のひとつであり、1960年にフランスから独立して以来、政治情勢が安定したことは一度もない。