◎この審議には数週間から数カ月かかる可能性がある。国会は12月20日に休会し、来年1月13日に再開される。
フィリピンのサラ・ドゥテルテ副大統領(Getty Images)

フィリピン国会の超党派が2日、サラ・ドゥテルテ(Sara Duterte)副大統領の弾劾決議案を下院に提出した。

首都マニラで会見した下院の代表団はメディアに対し、「副大統領は大統領に対する殺害予告や、麻薬容疑者の超法規的殺害、汚職、南シナ海での中国の侵略に立ち向かわなかったという疑惑をめぐり、法廷闘争の嵐に直面していることを認め、今すぐ辞職すべきだ」と語った。

サラ氏は先月、自身が暗殺された場合、マルコス・ジュニア(Ferdinand Marcos Jr.)大統領とその妻、下院議長を殺害するために暗殺者と契約を結んだと明らかにした。

捜査当局はこの事態を受け、サラ氏に召喚状を送り、マルコス・ジュニア氏との争いの詳細を明らかにするよう命じた。

今回の暗殺論争の背景にはサラ氏の父であるドゥテルテ(Rodrigo Roa Duterte)前大統領とマルコス・ジュニア氏との確執がある。政府は国際刑事裁判所(ICC)の要請に応じ、ドゥテルテ氏の引き渡しを検討している。

フィリピンはドゥテルテ氏が大統領だった2019年にICCから脱退した。

マルコス家とドゥテルテ家はフィリピンで最も強力な一族であり、激しい権力争いを繰り広げてきた。

地元メディアによると、サラ氏は弾劾決議案に関するコメントを出していない。

下院議員の1人は記者団に「この不信任決議案で副大統領が国民にもたらした悪夢を終わらせることができると期待している」と語った。

この審議には数週間から数カ月かかる可能性がある。国会は12月20日に休会し、来年1月13日に再開される。

下院は現在、サラ氏が副大統領兼教育相として受け取った6億1250万フィリピンペソ(約15億6000万円)の政治資金の不正使用疑惑を調査している。サラ氏はこの疑惑を受け、教育相を辞任した。

サラ氏は自身が暗殺される可能性があるという疑惑の詳細を明らかにしていない。

サラ氏はマルコス・ジュニア氏との和解を否定している。2人は2年前の大統領選でタッグを組み、地滑り的勝利を収めた。

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