◎バングラから海路で出国するロヒンギャのほとんどが仕事を求めてイスラム教徒の多いマレーシアを目指す。
インドネシア・スマトラ島北部アチェ州の漁師が沖合の岩場でロヒンギャ難民116人を救助した。地元警察が11月30日、明らかにした。
それによると、一行はバングラデシュのコックス・バザール難民キャンプからより良い生活を求めてインドネシアかマレーシアに向かうべく出航したものの、アチェ州沖の無人島の岩場で船が座礁し、身動きが取れなくなったという。
地元警察の署長はAP通信の取材に対し、「地元の漁師が座礁した船を発見し、ロヒンギャの女性や子供など、116人を近くの海岸まで運び、警察に通報した」と語った。
また署長は「多くの地元住民がロヒンギャの長期滞在に反対している」と強調した。
ミャンマー軍政による2017年の弾圧で殺害されたロヒンギャは1万3000人と推定され、少なくとも200の村が焼き払われ、100万人以上が国外退避を余儀なくされた。
バングラのコックスバザール地区には100万人以上のロヒンギャが避難し、世界最大の難民キャンプを形成している。
バングラから海路で出国するロヒンギャのほとんどが仕事を求めてイスラム教徒の多いマレーシアを目指す。
インドネシアは国連で1951年に採択された「難民の地位に関する条約」に加盟していないが、2016年の大統領令で難民の扱いに関する規定が定められて以来、多くのロヒンギャを受けている。
インドネシア当局によると、今年2~10月までの間に、230人のロヒンギャがアチェ州に上陸し、そのうち173人が自力で避難所を後にしたという。
インドネシア政府は昨年以来、コックスバザールを離れるロヒンギャが急増していることから、国際社会に支援を訴えている。