◎プーチン氏は国営メディアのテレビ番組にサプライズ出演し、西側諸国を震え上がらせてミサイル攻撃を詳述した。
2024年11月21日/ロシア、国民に向けて演説するプーチン大統領(AP通信/TASS)

ロシアプーチン(Vladimir Putin)大統領は21日、テレビ演説でウクライナの軍事施設に対し「極超音速中距離弾道ミサイル(IRBM)」による攻撃を実施したと明らかにした。

ウクライナ空軍はロシアが南部アストラハン州から東部ドニプロに向けて大陸間弾道ミサイル(ICBM)を発射したと報告していたが、プーチン氏はこれを否定した形だ。

プーチン氏は国営メディアのテレビ番組にサプライズ出演し、西側諸国を震え上がらせてミサイル攻撃を詳述した。

プーチン氏は米国とNATOを念頭に置き、「ロシア領内への攻撃で使用された兵器の供与国の軍事施設を攻撃する可能性がある」と警告。さらに、最新の中距離ミサイルシステムの1つをテストし、「”今回は”核兵器を搭載しない極超音速の弾道ミサイルでウクライナを攻撃した」と述べた。

またプーチン氏はこのミサイルについて、「音速の10倍で目標に到達する新型のIRBMだ」と説明した。

さらに、顔色を一切変えず、「世界中に存在する近代的な防空システムも、米国が作った対ミサイル防衛も、このミサイルを迎撃することはできない」と自慢した。

ウクライナ東部ドニプロ当局はロシア軍のミサイル攻撃により2人が負傷したと報告しているが、それがこのIRBMによるものかどうかは不明である。

ウクライナ空軍は21日、ロシア軍が極超音速ミサイル「キンジャル」1発と巡航ミサイル「Kh-107」を7発発射し、うち6発のKh-107を撃墜した報告したが、ICBMに言及しなかった。

ICBMもしくはIRBMが実際の戦闘で使用されたのは世界初とみられる。

米政府は今週、ウクライナに供与した長距離兵器を使ってロシア領内を攻撃することを容認した。

プーチン氏はこれに対抗して、核兵器使用に関するドクトリン(核抑止力の国家政策指針)の改定を承認。核保有国の支援を受けたロシアへの通常兵器攻撃に対し、核兵器の使用を検討する可能性があると警告した。

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