◎世界保健機関(WHO)は8月、コンゴを含むアフリカ中央部と西部でM痘感染者が急増していることを受け、公衆衛生上の緊急事態を宣言した。
世界保健機関(WHO)は1日、アフリカ9カ国に約100万人分のM痘(エムポックス)ワクチンが割り当てられたと発表した。
これはWHOとアフリカ疾病予防管理センター(CDC)が打ち出した6ヶ月計画に基づくものである。
WHOのテドロス(Tedros Adhanom Ghebreyesus)事務局長は声明で、「米国と欧州委員会からの寄付により、これまでにコンゴ民主共和国とルワンダで5万人以上がM痘ワクチンを接種した」と明らかにした。
M痘は中央・西アフリカでよくみられる感染症のひとつ。1970年にコンゴ民主共和国で初めて検出された。
重症化リスクは低く、感染者の大半は数週間で回復する。
死亡率は地域の医療体制によって異なるが、概ね1~3%ほど。潜伏期間は7~21日で、ほとんどの患者が10~14日で発症する。空気感染を起こした事例は確認されていない。
アフリカで今年、M痘が確認された国は19か国。累計感染者は約4万8000人、死者数は1100人を超えた。
テドロス氏は今週、約90万回分のワクチンを変異株の感染が顕著な国々に展開していると明らかにしていた。
またテドロス氏は「この90万回分は2024年末までに利用可能になると予想される約600万回分の最初の割り当てである」と述べた。
アフリカ大陸における感染者の85.7%、死者の99.5%がアフリカ中央部で確認されている。そのうち、コンゴの死者が全体の99%を占めている。