◎チェコは国内で消費する電力の3分の1を原発で賄っている。
チェコの電力会社CEZが29日、英国のロールス・ロイスSMR社と小型モジュール式原子炉(SMR)の開発・建設に関する戦略的パートナーシップ契約に調印した。
契約に基づき、CEZはロールス・ロイスSMRの株式を20%取得する。
CEZは2030年代前半に既存の原子力発電所内に同国初のSMRを建設する計画だ。
チェコは国内で消費する電力の3分の1を原発で賄っている。
CEZは欧州および世界各地におけるロールス・ロイスSMRの他のプロジェクトにも参加する。
チェコ政府はCEZの株式を70%近く保有している。
チェコのフィアラ(Petr Fiala)首相は声明で、「この契約はチェコのエネルギー安全保障を強化する大きな成果である」と強調した。
それによると、このSMRの発電量(設計値)は470メガワット。
SMRは原子炉の一種。一般的な原発の電気出力が1基100万キロワット程度であるのに対し、SMRは30万キロワット以下、熱出力が1000メガワット未満となっている。
SMRは送電インフラが整っていない地域で発電できるほか、大きな電力を得たい場合は複数のSMRを連結して発電できる。建設費用も一般的な原発より安価である。
チェコで稼働中の原発は6基。政府は二酸化炭素排出量を削減するために2033年までに石炭火力を廃止し、原発、ソーラー、風力発電設備を強化するとしている。