◎キムは今週、憲法を改正して韓国を「敵対国」と定義し、南北間の連絡道を爆破した
北朝鮮の金正恩 党総書記(Getty Images)

北朝鮮金正恩(Kim Jong Un)党総書記が韓国を敵対的な「外敵」として扱うよう軍に念を押し、韓国が主権を侵害した場合、激しく攻撃することを躊躇しないと宣言した。国営メディアが18日に報じた。

朝鮮中央通信(KCNA)によると、キムは17日に人民軍第2軍司令部を訪問した際、部隊に対し、南を朝鮮半島の同胞と思わず、武力を行使した場合、正当な報復であることを理解するよう命じたという。

キムは今週、憲法を改正して韓国を「敵対国」と定義し、南北間の連絡道を爆破した。

またキムは韓国によるドローン飛行疑惑を「敵の挑発行為」と表現。「即時の軍事行動」と国の主権を守るための「戦争抑止力」の運用に関する指針を軍指導部に提示していた。

アナリストたちは米韓両軍が戦力で圧倒的優位に立つ中、キムが南を攻撃する可能性は極めて低いと指摘している。しかし、キムが一方的に橋を爆破したことを受け、国境地帯での衝突の可能性は劇的に高まったと言える。

キムは部隊に対し、「15日の橋爆破は100年続いた南との永続的な悪の関係を断ち切り、敵対国との統一という無用な意識と不合理な考えを完全に取り除くという北の決意を示したものである」と語った。

KCNAによると、キムは橋爆破について、「敵対国である南が北の主権を侵害した場合、自軍は躊躇なく武力を行使するという宣言でもある」と主張したという。

韓国政府はキムの発言に関するコメントを出していない。

韓国政府は先週、同国のドローンが北朝鮮の首都平壌上空に飛来し、領空を侵犯したという北の主張を否定していたが、その後、北の主張が事実かどうかは確認できないとして、対応を協議すると述べていた。

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