◎ギリシャは豊かな西欧への亡命を求める移民の中継地であり、トルコ西岸とアフリカ北部リビアやチュニジアに拠点を置く人身売買組織が頻繁に利用している。
ギリシャ南部コス島沖でトルコ近海から渡ってきた移民船の事故により、子供2人を含む4人が死亡した。沿岸警備隊が15日、明らかにした。
それによると、27人が救助され、行方不明者はいないという。
地元メディアは生存者の証言を引用し、「ボートを操縦していた人物が操作を誤り、数人が海に落下した」と報じている。
沿岸警備隊は15日午前、「不審な船がいる」という通報を受け現場に急行。海に転落した人を発見し、救助したものの、子供2人と女性2人が死亡した。
ギリシャは豊かな西欧への亡命を求める移民の中継地であり、トルコ西岸とアフリカ北部リビアやチュニジアに拠点を置く人身売買組織が頻繁に利用している。
その多くがトルコ沿岸からギリシャの島々へボートで横断を試みる。しかし、この海域の国境警備は強化されているため、トルコ南部または北アフリカから大型船で直接イタリアに向かう者も少なくない。
ギリシャ当局はレバノンとパレスチナ・ガザ地区の紛争を受け、移民の急増に備えている。
AP通信はギリシャのミツォタキス(Kyriakos Mitsotakis)首相に近い関係者の話しとして、「中東やアフリカでの戦争と気候変動の影響とが相まって、EUは移民による長期的な圧力にさらされ続ける」と報じた。
ギリシャ政府は今年初めにEUの執行機関である欧州委員会が提案した移民協定について、「現実的ではなく、不十分である」と批判している。
加盟27カ国はこの協定についてさらに議論するとしている。2026年半ばまでに発効する予定だ。