◎コレラは感染性下痢症のひとつで、治療せずに放置すると数時間で死に至ることもある。
スーダン、首都ハルツーム、戦闘に巻き込まれ全壊した民家(Getty Images)

アフリカ北東部・スーダンでコレラが大流行し、2週間足らずで感染者が40%近く急増した。国連が8日、明らかにした。

それによると、全国18州のうち11州で2万1288人がコレラに感染し、うち626人が死亡したという。

9月26日時点の感染者は1万5777人、死者は506人であった。

国連児童基金(ユニセフ)と世界保健機関(WHO)は軍事政権と協力して、コレラ経口ワクチンの接種を行っている。

軍政と準軍事組織「即応支援部隊(RSF)」は昨年4月から首都ハルツームなどの支配権を争っている。

この内戦は世界最悪の人道危機に発展。人口の5割強にあたる約2500万人が飢餓に直面し、2万人以上が死亡、数万人が負傷したと推定されている。

激戦が続く西部ダルフール地方では複数の地域で餓死者が出ているという情報もある。被害の全容は明らかになっておらず、調査が進む目途も立っていない。

国連によると、東部地域の感染状況が特に深刻だという。

コレラは感染性下痢症のひとつで、治療せずに放置すると数時間で死に至ることもある。コレラ菌に汚染された水を飲んだり食品を食べたりすることで感染する。

WHOのスーダン担当はAP通信の取材に対し、「感染者が急増していることは間違いなく、昨年の流行よりペースが速いことから、さらなる増加が懸念される」と語った。

軍政は7月末に最初の感染者を確認。翌月、非常事態を宣言した。

ユニセフは先月9日、40万4000回分の経口ワクチンを届けた。

ユニセフとWHOのワクチンキャンペーンは第2弾に入り、戦闘が続く州でも行われる予定だ。

5日には140万回分のワクチンを積んだユニセフのチャーター機がスーダンに到着した。このワクチンは多数の感染者が出ている東部3州に届けられる予定だ。

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