◎両候補は笑顔で握手を交わし、すぐにエスカレートしたが、米国民が心配していた誹謗中傷合戦には発展しなかった。
米ペンシルベニア州フィラデルフィアで大統領選TV討論会が行われ、ハリス(Kamala Harris)副大統領とトランプ(Donald Trump)前大統領が90分以上に渡って舌戦を繰り広げた。
両候補は笑顔で握手を交わし、すぐにエスカレートしたが、米国民が心配していた誹謗中傷合戦には発展しなかった。
ハリス氏はトランプ氏の政策や過去の発言を批判。「新しい世代がリーダーシップを提供する時が来た」と主張した。
トランプ氏は討論会を通じてアフガン撤退や移民問題などでハリス氏を批判し、同氏とバイデン(Joe Biden)大統領を同類と呼んだ。
現地メディアは両候補が思いのほか冷静に発言し、議題を大きく外れるような発言は少なかったと報じている。
バイデン氏は11日朝、X(旧ツイッター)にコメントを投稿し、ハリス氏の圧勝と主張した。「米国は昨夜、私が3年半共に働けたことを誇りに思うリーダーを見ることができた。接戦ですらなかった」
CNNが討論会後に行った世論調査によると、観戦者の大多数がハリス氏の勝利と考えているようだ。
回答者の63%がハリス氏の勝利、37%がトランプ氏と答えた。
CNNによると、討論会前、両候補の勝敗予想は50%ー50%で割れていた。
6月の第1回討論会では67%がトランプ氏の勝利と回答していた。
ハリス氏は序盤からトランプ氏を守勢に立たせ、「視聴者は同じような古い、飽き飽きした脚本、嘘、不平不満、罵詈雑言の数々を聞かされることになる」と主張。その後、トランプ氏の集会を揶揄し、不倫口止め裁判を含む複数の裁判にも言及した。
一方、トランプ氏はハリス氏をバイデン氏に結び付け、頑固なインフレや経済政策を批判した。「彼女はバイデンだ」
トランプ氏はハリス氏の性別には言及しなかったが、人種には触れた。トランプ氏はハリス氏の人種的アイデンティティに関する虚偽の主張を倍増させたが、「それほど気にすることではない 」と言った。
ハリス陣営は討論会が終わってから1時間もたたないうちにABCにメールを送り、次の対決を望んでいると表明した。
ABCによると、ハリス陣営は両候補による第2回討論会の開催を望んでいると表明したという。メールには「ハリス副大統領は準備ができています。ドナルド・トランプはどうですか?」と書かれていた。
ABCによると、トランプ陣営はハリス陣営からの再戦希望について、「トランプ大統領は、彼女が再戦を望んだのは今夜の討論会で惨敗したと感じたからだ」と答えたものの、開催に応じるかどうかは明言しなかったという。
副大統領候補の討論会は10月1日に行われる予定。CBSが主催する。