◎ベラルーシの人権団体「ビアスナ人権センター」によると、同国には現在、1400人近くの政治犯がいる。
ベラルーシのルカシェンコ大統領(Getty Images)

ベラルーシ独裁者であるルカシェンコ(Alexander Lukashenko)大統領が4日、抗議デモに関連する罪で服役していた政治犯30人に恩赦を与えた。国営メディアが報じた。

ルカシェンコ氏が受刑者を赦免したのはこの3ヶ月で3度目である。

国営テレビによると、釈放された30人のうち7人は女性。氏名は公表されていない。

大統領府は声明で、「赦免された者は全員、罪を認め、心から悔い改め、静かに生活することを約束した」主張した。

ベラルーシの人権団体「ビアスナ人権センター」によると、同国には現在、1400人近くの政治犯がいる。

その中にはビアスナの創設者であり、2022年にノーベル平和賞を受賞した人権活動家ビアリアツキー(Ales Bialiatski)氏も含まれている。

ビアスナによると、この数年で少なくとも6人の政治犯が獄中で亡くなったという。

ルカシェンコ氏は先月、重病のジャーナリストや活動家を含む、抗議デモに参加した罪で有罪判決を受けた30人を赦免した。

7月には重度の癌を患っている活動家を含む18人の政治犯も釈放された。

リトアニアに亡命中の反政権派チハノフスカヤ(Svitalana Tsikhanouskaya)氏は4日、政治犯の釈放を歓迎したうえで、まだ数千人の無実の政治犯が獄中で非人道的な扱いを受けていると述べた。

ルカシェンコ氏は1994年に就任して以来、一貫して野党、人権団体、独立系メディアを弾圧してきた。

2020年の大統領選では結果に抗議するデモを力でねじ伏せ、3万5000人以上を逮捕、数千人を殴打した。

ビアスナによると、今週だけでも少なくとも33人の活動家が抗議デモに参加した罪で裁判を受ける予定。過去3ヶ月の間には200人以上がデモ参加を理由に有罪判決を受けたという。

ルカシェンコ氏は来年予定されている大統領選への立候補を表明している。専門家によると、公正な選挙は期待できず、有力な野党政治家が立候補できるかどうかも不明だ。

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