◎スペインを含む欧州諸国はアフリカ大陸から押し寄せる移民の波を食い止めようと奮闘している。
スペイン領カナリア諸島沖で保護された移民たち(Getty Images)

スペインのサンチェス(Pedro Sánchez)首相が27日、3日間のアフリカ歴訪を開始した。

スペインを含む欧州諸国はアフリカ大陸から押し寄せる移民の波を食い止めようと奮闘している。

スペイン内務省によると、今年、アフリカ北西部のスペイン領カナリア諸島に到着した移民は今月中旬時点で約2万2300人。昨年同期比126%増となっている。

その大半がモリータニアから出港したとみられる。昨年通年の到着者は過去最多の5万5618人であった。

サンチェス氏は最初にモーリタニア訪問、その後ガンビア、セネガルで首脳らと会談する。

スペイン当局によると、カナリア諸島を目指す移民の多くが暴力と不安定な情勢から逃れようとするサハラ砂漠以南出身の若者である。

カナリア諸島当局は同伴者のいない未成年者のケアに苦慮している。成人の移民は到着後、本土や欧州の他の地域への亡命を希望できるが、未成年者は自治体の保護下に置かれる。

スペイン当局は西アフリカとカナリア諸島を結ぶ大西洋の航行条件が良好になる今秋、さらに多くの移民が押し寄せると予想している。

サンチェス氏はこの問題に取り組むため、3カ国の首脳といくつかの協定を結ぶ予定だ。

スペイン政府は今後、入国した移民を農業などの分野で一時的に働くことを認めるプログラムを拡大する予定である。

アフリカ北西部とカナリア諸島を結ぶルートは世界でも最も危険な航路のひとつであり、毎年数千人が死亡または行方不明になっている。

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