◎北西部地域では今月初めの大雨で被害が拡大。KCNAは4100棟の家屋、7400エーカーの農地、その他多くの公共建築物、構造部、道路、鉄道が被害を受けたと報じていた。
北朝鮮、洪水被災地で市民と交流する金正恩-党総書記(KCNA)

北朝鮮金正恩(Kim Jong Un)党総書記が大洪水に見舞われた北西部地域の復興について、外部の支援を受けるつもりはないと改めて表明し、被災者により良いケアを提供するよう関係者に命じた。朝鮮中央通信(KCNA)が10日に報じた。

それによると、キムは自治体の首長などに対し、被災した数千人の住民を首都平壌に連れてくるよう命じたという。

キムは被災者の前で演説、被害を受けた地域を安定させるには2〜3ヶ月かかると述べた。

KCNAによると、キムは被災した母親、子供、高齢者、障がい者など、約1万5400人を平壌の施設に収容する計画を自ら立案したという。

キムは8~9日にかけて中国国境近くの地区を視察し、被災者と話し、復旧作業などについて協議した。

KCNAはキムが「神聖な指導力」と「国民のために献身的に奉仕する温かい愛と崇高な精神」を示したと絶賛した。

北西部地域では今月初めの大雨で被害が拡大。KCNAは4100棟の家屋、7400エーカーの農地、その他多くの公共建築物、構造部、道路、鉄道が被害を受けたと報じていた。

韓国KBSは政府関係者の話しとして、「この洪水により1000~1500人が死亡。複数のヘリコプターが救助作業中に墜落したという情報もある」と報じたが、キムはこれを否定している。

またキムは「許されない犠牲者」を出したのは防災を怠った自治体の首長や公務員だと激しく非難した。

北の同盟国であるロシアと中国、そして国際的な援助団体は北に支援を提供すると申し出ているが、キムは今のところ、それを受け取る意思を表明していない。

ロシアのプーチン(Vladimir Putin)大統領は先週、キムに宛てた書簡で「深い同情と支持」を表明し、被災地に必要な支援を提供する意思を伝えた。

KCNAによると、キムはプーチン氏に謝意を示したものの、「北は独自の復興計画を策定しており、必要であればロシアに支援を要請する」と返答したという。

核開発に熱心なキムは治水対策にほとんど興味を示さない一方、このような自然災害が発生した時は自治体の長に責任をなすりつけ、処刑することも珍しくない。

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