◎地元の独立系メディアによると、この2つの町は先月下旬以来、MNDAA(ミャンマー民族民主同盟軍)を含む反体制派の標的になっていたという。
ミャンマー北東部・シャン州で攻勢を強めるMNDAA(ミャンマー民族民主同盟軍)は25日、同州の戦略的に重要な2つの町を軍政から奪取したと発表した。
それによると、MNDAAは主要都市ラシオと第2の都市マンダレー郊外のルビー鉱山がある町から軍政を追い出したという。
しかし、軍政の報道官は同日、MNDAAの主要を否定。「事実無根であり、軍はテロリストを排除すべく、シャン州の広い範囲で防衛に当たっている」と述べた。
AP通信はMNDAAが占領したと主張するラシオの住民の話しを引用し、「この町と周辺地域ではまだ戦闘が続いている」と報じた。
フェイスブックで共有された動画にはゲリラ兵の到着を歓迎するラシオの住民たちが映っていた。
地元の独立系メディアによると、この2つの町は先月下旬以来、MNDAAを含む反体制派の標的になっていたという。
MNDAA、西部ラカイン州の「アラカン軍」、東部カレン州の少数民族ゲリラ「カレン民族同盟(KNU)」、チン州の反体制派「チン民族戦線(CNF)」などからなる民主派勢力は昨年10月、中国国境に近い北部で反攻を開始。複数の地域から国軍を追い出した。
民主派勢力の支配地域は拡大し続け、中国国境沿いの北東部の広い範囲を占領。投降した一部の兵士を取り込むことに成功した。
アラカン軍はラカイン州の主要都市ブティダウンを制圧。この町はバングラデシュと国境を接する交易の要衝であり、軍政の拠点が複数あるとされる。
一方、KNUはタイ国境近くの要衝ミャワディを制圧。軍政の兵士数千人がタイに逃亡したり、KNUに寝返ったりした。
MNDAAは25日にフェイスブックを更新。「23日間にわたる戦闘の後、25日午前4時にラシオの軍司令部を完全に占領した」と書き込んだ。
MNDAAは最近、他の同盟との協調攻撃で、中国と国境を接するコーカン自治区の中心地ラウカイの軍司令部も制圧したと報告していた。
MNDAAは声明で、「ラシオの占領は歴史的快挙である」と述べた。この司令部は中国国境から南へ約110キロほどの位置にあるという。
しかし、軍政の報道官はこれを否定。事実無根であると主張した。
また報道官は、「複数のテロリストがラシオ市外のいくつかの地域に侵入したと報告を受けており、部隊が対応している」と述べた。