◎今年就任30周年を迎えた独裁者のルカシェンコ大統領は一貫して野党、人権団体、独立系メディアを弾圧してきた。
国連人権理事会は18日、ベラルーシ政府に対し、2022年にノーベル平和賞を受賞した人権活動家ビアリアツキー(Ales Bialiatski)氏を解放するよう求めた。
ビアリアツキー氏はベラルーシの人権団体「ビアスナ人権センター」の創設者であり、2020大統領選の結果に抗議するデモの後、脱税容疑で逮捕され、その後、密輸と公序良俗に反する活動に資金を提供した罪で実刑判決を受けた。
今年就任30周年を迎えた独裁者のルカシェンコ(Alexander Lukashenko)大統領は一貫して野党、人権団体、独立系メディアを弾圧してきた。
2020年の大統領選では結果に抗議するデモを力でねじ伏せ、3万5000人以上を逮捕、数千人を激しく殴打。著名な反体制派は軒並み亡命を余儀なくされた。
ビアスナによると、当局に拘束・投獄された政治犯は1400人に達したという。
国連人権理事会の専門家パネルは18日の声明で、「ビアリアツキー氏は表現と集会の自由を行使した結果、逮捕された」と述べ、即時釈放を求めた。
当局はこの数週間で重病と診断された政治犯を少なくとも18人釈放している。
ビアリアツキー氏の妻は19日、AP通信の取材に対し、「刑務官は夫が必要とする医薬品を奪い、非人道的な牢獄に閉じ込めている」と語った。
それによると、ビアリアツキー氏の体調は日に日に悪化し、体重も大きく減少したという。