1日当たりの新規感染者数、260,000件超

7月18日、世界保健機関(WHO)は世界の1日当たりの新規感染者数が史上最高を大幅に更新する26万件以上に達したと発表した。

WHOによると、1日当たりの新規感染者数が25万件を超えたのは初であり、記者団に対し「パンデミックの第一波が爆発を起こした」とコメントした。

アメリカ、ブラジル、インド、南アフリカで進行中の感染爆発により、驚異的な世界新記録が樹立され、WHOは危機感を露わにした。また、同日だけで死者数も7,360名増加し、同じく世界新記録を樹立した。

ジョンズ・ホプキンズ大学のまとめによると、7月18日時点の世界の累計感染者数は1,400万人を突破。60万人以上の死亡が確認されている。

感染爆発が最も深刻なアメリカでは、当初、強制ロックダウンやマスク着用義務に消極的だった南部の各州で感染者が急増。嵐の中心にいるのは、フロリダ州、テキサス州、アリゾナ州である。

現在、フロリダ州はアメリカ最大のホットスポットになっており、1日当たりの新規感染者数は10,000人~15,000人前後を維持している。また、7月18日だけで90人以上が死亡、累計死者数は5,000人を突破した。

同州ではここ数週間で事態が急激に悪化し、州および市の病院は崖っぷちに追い込まれている。病床とICUはフル稼働状態に達し、新しい患者を受け入れることができなくなった結果、死者数の急増を招いたと専門家は指摘した。

同州の保健当局は記者団に対し、「この状態があと数日続けば、医療システムは崩壊する。今すぐマスクを着用し、外出は極力控えてほしい。病院が機能不全に陥れば、感染しても治療を受けることができず、基礎疾患を抱える患者の命にも関わる」と警告した。

ホワイトハウスコロナウイルス対策チームの最高顧問を務めるアンソニー・ファウチ博士は、7月17日にマスクの重要性を改めて強く主張し、州および市の指導者に対し「今すぐ、マスク着用義務化ルールを策定してほしい」と懇願した。しかし同日、トランプ大統領はお膝元のFOXニュースに対し、「全国レベルのマスク着用強制法案を拒否した」と述べ、ファウチ博士の意見を真っ向から否定した。

コロナウイルスおよびそれを封じ込めるための感染予防対策が高度に政治化されているブラジルでも、感染爆発が続いている。しかし、WHOは今週初め、同国の症例数が指数関数的に増加する傾向はなくなった、と発表した。

アメリカとブラジルを上回る危機、と噂されているのがインドである。3月、同国は世界でもトップクラスの厳格なロックダウンを発出し、全国民に外出禁止を命じた。その後、早め早めの対策が功を奏し、パンデミックの終息が見えたため、モディ首相はロックダウンの段階的な緩和を開始した。

しかし、各種施設とビジネスを再開した結果、6月中頃から感染者数が急増し始め、先日、ついに累計感染者数が100万人を突破した。

インド当局は、感染爆発のピークが数カ月先になると警告し、ガイドラインに従い予防措置を講じてほしいと呼びかけた。なお、ムンバイやバンガロールなどの大都市圏では、医療機関が機能不全に陥っており、感染者を受け入れることがほぼできない状態にあるという。

パンデミックを抑えることに成功した西欧諸国では、ロックダウンを解除、さらに国境とビジネスを開放した。しかし、スペイン全土で再び局地的なクラスターが発生し、カタルーニャ北東部およびその周辺で再ロックダウンが発出された。

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スペイン、カタルーニャ北東部では、1日当たりの新規感染者数が1,000人単位で増加し、バルセロナ、ラノゲラ、エルセグリアの約400万人に対し、15日間の自宅待機命令を出した。

今回の再ロックダウンには、「10人以上の公的または私的な会合の禁止」「老人ホームへの訪問禁止」「ジムとナイトクラブ(バー、パブなど)の営業禁止」なども含まれている。

スペインは約4週間前にロックダウンを解除したばかりだった。落ち込んだ観光需要を取り戻すべく、経済をキックスタートさせた直後に肩透かしを食らい、政府関係者は落胆しているという。

隣国フランスは、スペインとの国境閉鎖を検討しており、ペドロ・サンチェス首相もこの考えに同意していると国内メディアは伝えている。

フランスのジャン・カステックス新首相は記者団に対し、「現在、スペインの感染状況を注意深く監視している。国境封鎖の可否については、スペイン当局と話し合わなければならないだろう」とコメントした。

7月17日、コロナショック後の経済活動再開を話し合うEU首脳会談がブリュッセルで開催された。

会談二日目、欧州各国のメディアは、話し合いの停滞と1兆ユーロ(約122兆円)規模のEU予算およびコロナ対策予算合意は難しいと報じた。

イタリアのジュゼッペ・コンテ首相は「会談は行き詰まっている」と認めたが、オーストリアのセバスチャン・クルツ首相は「私たちは正しい方向に進んでいる」と肯定的な発言を行った。

オランダやスウェーデンなどの「質素」な北欧諸国は、7,500億ユーロ(約90兆円)規模のコロナウイルス予算に否定的な立場をとっており、供出率次第では拒否もあり得るとコメントしている。

7月16日、コロナウイルスの第二波に直面している日本でも大きな動きがあった。首都東京で1日当たりの感染者数が連日200人を超えたため、政府が立案した観光産業救済パッケージ「GoToトラベル」から東京都だけを除外すると発表したのである。

これに対し、東京都の小池都知事は不快感を示し猛反発、「理由を説明してほしい」と菅官房長官に迫った。しかし、菅官房長官は、東京都副都知事に伝え了承を貰っていると反論。政府関係者は、安部政権と小池都知事の関係悪化を懸念している。

GoToトラベルは、旅費の一部を政府が肩代わりするものであり、財源は国民が納めた税金などで賄われる。東京都民約1,000万人だけが仲間外れにされた結果、強い反発を招いてしまったようだ。

さらに、数週間前から政府の発表を真に受け旅行を予約していた東京都民は、高額なキャンセル料負担に直面している。宿泊施設などを予約した場合、それをキャンセルすると、当然キャンセル料がかかる。

政府の救済パッケージが予定通り行われると信じた多くの東京都民が、10万円規模の旅行プランを予約していた。しかし、政府はパッケージ開始直前になって首都東京の除外を一方的に発表し、「キャンセル料は個人負担でお願いしたい。政府は一切補償しない」と付け加えたため、火に油を注ぐことになった。

日本政府に対する不満はSNS上に拡散し、「泥棒、詐欺誌、卑怯者」というキーワードが飛び交っている。なお、与党の関係筋によると、支持率低下を恐れた安倍政権は、東京都除外に伴うキャンセル料補償の検討を開始したという。

【世界の感染状況/7月18日時点】

累計感染者累計死者新規感染者
世界1,430万人60.2万人26万人
アメリカ378万人14.2万人65,389人
ブラジル208万人78,735人28,532人
インド108万人26,816人34,884人
日本24,132人985人659人

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