◎国連安全保障理事会は10月、ギャングの暴力に圧倒されるハイチにケニア主導のPKOを派遣することを全会一致で承認した。
2022年7月2日/ハイチ、首都ポルトープランス、ギャングの暴力やインフレに抗議するデモ(Getty Images/AFP通信)

ハイチ国家警察の長官が東アフリカ・ケニアを訪問し、国連PKO派遣に向けた準備を進めている。現地メディアが14日に報じた。

それによると、長官は13日にケニアの首都ナイロビに到着し、政府関係者らと会談したという。

ハイチ国家警察はフェイスブックに声明を投稿。「長官らはケニアを3日間公式訪問し、我が国の安全保障について協議する予定だ」と書き込んだ。

協議の詳細は不明である。

国連安全保障理事会は10月、ギャングの暴力に圧倒されるハイチにケニア主導のPKOを派遣することを全会一致で承認した。

ハイチの治安は2021年7月のモイーズ(Jovenel Moise)大統領暗殺と同年8月に西部で発生したM7.2の大地震で崩壊し、破壊と暴力が蔓延している。

首都ポルトープランスでは1年ほど前から複数の武装ギャングが地域の支配権をめぐって血みどろの抗争を繰り広げている。地元の人権団体はこの争いで民間人数千人が死亡または行方不明となり、数十万人が国外に逃亡したと推定している。

国連は7月1日~9月30日までにハイチ全土で殺人事件1230件超、誘拐700件超が報告されたと発表。これは前年同時期の2倍以上である。

ケニア警察の担当官らは今週、ハイチ・ポルトープランスでPKO派遣後の対応などについて協議した。

ルト政権は国連安保理の決定に基づき、警察官約1000人の派遣を閣議決定。しかし、警察官のPKO参加を違憲とする地方議員の意義申し立てに直面し、現在、高裁の判決を待っている状態だ。

高裁に異議を申し立てた議員はこう主張している。「政府はテロや民族間紛争などに対処できていないにもかかわらず、他国に警察官を派遣しようとしている。これは国民の生命を脅かす行為であり、憲法違反である...」

AP通信はルト政権関係者の話しとして、「警察官約300人からなる第一陣を来年2月までに派遣する見込み」と伝えている。判決は1月中頃と予想されている。

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