◎ナゴルノカラバフは国際的にはアゼルの領土とみなされているが、1994年に終結した分離戦争以来、アルメニア政府の支援を受ける反政府勢力の支配下に置かれ、住民の大半はアルメニア人で構成されていた。
アゼルバイジャンとアルメニアの係争地ナゴルノカラバフで8日、アゼル軍の軍事パレードが行われ、兵士数千人が領土奪還を祝った。
パレードにはアリエフ(Ilham Aliyev)大統領も出席し、ナゴルノカラバフの最大都市ステパナケルトで演説。兵士をねぎらった。
ナゴルノカラバフは国際的にはアゼルの領土とみなされているが、1994年に終結した分離戦争以来、アルメニア政府の支援を受ける反政府勢力の支配下に置かれ、住民の大半はアルメニア人で構成されていた。
アゼル政府は9月、アルメニアの破壊工作員が仕掛けた地雷により兵士2人と民間人4人が死亡したことを受け、ナゴルノカラバフへの「対テロ作戦」を開始。アゼル陸軍による集中砲火を受けたナゴルノカラバフの分離主義勢力はまもなく降伏し、アゼル政府の要求を全面的に受け入れた。
パレードには分離主義勢力から接収した戦車も参加。アリエフ氏は演説の中で、「我々は全世界にアゼルバイジャン人の強さ、決意、不屈の精神を示した」と語った。
ステパナケルトには分離主義勢力の本部が置かれていた。
アゼル軍は2020年の紛争でナゴルノカラバフの一部領土を奪還した記念に軍事パレードを実施してきた。今年は3回目であり、過去最大規模となったようだ。
ロシアが仲介した2020年の停戦協定にはアルメニアとナゴルノカラバフを結ぶ道路(通称ラチン回廊)の通行を確保するという条項が含まれていた。
しかし、アゼル政府は昨冬からその道路を封鎖。その結果、ナゴルノカラバフは深刻な食料・医薬品不足に直面した。
そして9月、分離主義勢力を壊滅に追い込む電撃作戦が始まった。その後、10万人以上のアルメニア人がこの地域から脱出し、街はほとんど無人となった。