◎国防省は特に、AIを活用して個人の話し方や動きを模倣するデジタル人物を作成するアプリの使用に警告を発している。
フィリピン国防省は安全保障上のリスクがあるとして、すべての国防関係者と兵士16万3000人に対し、AI(人工知能)を使って肖像画を生成するデジタル・アプリケーションの使用を控えるよう命じた。地元メディアが20日に報じた。
それによると、国防相は10月14日付けの覚書でこの命令に言及。「フィリピン軍は共産主義者やイスラム主義勢力、係争中の南シナ海の領土権益を守るために活動している」と強調した。
地元メディアはこのアプリ禁止令が事実であることを確認したと報じているが、国防省はその詳細を明らかにしていない。
地元テレビ局は関係者の話しとして、「国防省は特に、AIを活用して個人の話し方や動きを模倣するデジタル人物を作成するアプリの使用に警告を発している」と伝えている。
同省は「このようなアプリは重大なプライバシーとセキュリティ侵害のリスクをもたらす」と警告しているようだ。
また同省は「この一見無害で面白そうなAI搭載アプリは悪意を持って偽のプロフィールを作成するために使用され、個人情報の搾取、フィッシング詐欺、その他の悪質な行為につながる可能性がある」としている。
国防相は覚書の中で、すべての国防・軍関係者にAI写真生成アプリの使用を控え、オンラインでの情報共有に用心するよう命じ、「その行動は国防省の価値観と方針に沿ったものであるべき」と述べた。