◎コンゴ東部では国際テロ組織アルカイダやイスラム国(ISIS)とつながりのある過激派など、120以上の武装勢力が活動している。
2022年9月13日/コンゴ民主共和国、北キブ州ゴマの国連基地近く(Moses Sawasawa/AP通信)

米財務省が26日、コンゴ民主共和国東部の紛争に関与したとされる反乱軍の指導者6人を制裁リストに追加した。

それによると、新たにリスト入りしたのはルワンダ人とコンゴ人指導者6人。東部地域の不安定化を図り、多くの人権侵害に関与したとされる。

コンゴ東部では国際テロ組織アルカイダやイスラム国(ISIS)とつながりのある過激派など、120以上の武装勢力が活動している。

国連によると、この地域は30年ほど前から内戦状態にあり、避難を余儀なくされた難民は600万人以上にのぼるという。

この地域では2021年11月に同国最大の反政府勢力「3月23日運動(M23)」が活動を再開して以来、戦闘が激化している。

M23はルワンダとウガンダの支援を受けていたコンゴのツチ族武装集団の元戦闘員で構成され、2009年3月に締結された和平協定により、コンゴ軍に編入された。

しかし、M23の戦闘員はコンゴ軍に編入された後もルワンダ国境付近で活動を続け、2013年の紛争に敗れるとルワンダやウガンダに逃亡。2021年11月頃から活動を活発化させ、北キブ州の複数の集落を占領した。

コンゴ政府、米国、国連の専門家はルワンダ政府がM23を支援していると指摘しているが、ルワンダはこの主張を否定している。

1994年のルワンダ大虐殺に関与したとされるフツ族の住民数千人がコンゴ東部に逃げ込んで以来、両国の関係は緊張状態にある。

M23はコンゴに逃げ込んだフツ族の掃討を目指しているとみられ、州都ゴマ近郊まで支配地域を拡大したとされる。

米政府はM23および、それと対立するフツ族の民兵組織などにも制裁を科している。これらの組織は大量虐殺を含む複数の戦争犯罪や人権侵害で告発されている。

シンクタンク・国際危機グループは米国の制裁について、「象徴的なものに過ぎないが、一定の効果を期待できる」と指摘している。「米国はコンゴ東部で起きていることを見ているぞ、というメッセージを送っているのです...」

また国際危機グループは米国、国連、EUが協調して制裁を科せば、もっと大きなインパクトを与えることができると指摘した。

EUは先月末、この紛争に関与したとされる指導者7人に制裁を科した。

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