◎中央政府は先週、戦闘が激化したとして、アムハラ州に非常事態宣言を出し、市民に不要不急の外出を控えるよう呼びかけた。
エチオピア軍が北部アムハラ州の民兵が支配する地域に進軍し、戦果を上げているようだ。AFP通信が情報筋の話しとして9日に報じた。
それによると、国軍とアムハラ民兵の戦闘は広い範囲で激化し、多数の死傷者が出ているとみられる。
国営エチオピア航空は8日、アムハラ州の定期便を一時的に運休すると発表。期間は9~11日としている。
アムハラ州で活動する反体制派は隣接するティグライ州で2020年11月~2022年11月まで続いた内戦において、ティグレ人民解放戦線(TPLF)の活動を全面的に支援した。
一部の民兵は政府側に回ったと伝えられているが、内戦でどのような役割を果たしたかは不明である。
中央政府は先週、戦闘が激化したとして、アムハラ州に非常事態宣言を出し、市民に不要不急の外出を控えるよう呼びかけた。
政府側に回ったとされる民兵は内戦終結後に中央政府が全ての準軍事組織に武器を置き、解散を求めたことに反発。今年4月頃から緊張が高まり、戦闘に発展したとされる。
AFPによると、国軍は数日間にわたる戦闘の後、いくつかの地域で有利に立ったようだ。
アムハラ州政府は8日の声明で、「アムハラ州に恒久的な平和が戻ってきた」と表明。国軍が過激派組織(民兵)に対し、適切な行動を取ったと主張した。
一方、AFPの取材に応じたアムハラ州の市民は「民兵は国軍の勢いに押され、ユネスコ(国連教育科学文化機関)の世界遺産がある北部ラリベラまで後退した」と伝えている。
この市民は「国軍が民兵の支配地域の大部分を奪還した」と述べている。「陸軍兵士は戦車と装甲車の後方支援を受けて勢いよく前進し、多くの町と集落を奪還しました...」
ラリベラ周辺で戦闘は報告されておらず、世界遺産に被害が出たという情報もない。
海外のメディアはティグライ州やアムハラ州への立ち入りを禁じられているため、現地の状況を確認することは困難である。