◎事件は同州のルワンダ国境近くに位置する集落で16日早朝に発生。11人の遺体は草むらに並べられていた。
コンゴ民主共和国の東部・北キブ州で武装勢力が集落を襲撃し、市民11人を殺害した。地元当局が16日、明らかにした。
それによると、事件は同州のルワンダ国境近くに位置する集落で16日早朝に発生。11人の遺体は草むらに並べられていたという。
AP通信の取材に応じた自治体職員は「M23(3月23日運動)の戦闘員が村に攻め込み、住民を虐殺した」と語った。
この地域で活動する人権団体によると、事件が発生した集落とその周辺は今月11日頃からM23の占領下に置かれていたが、M23はその後撤退したという。
M23はルワンダとウガンダの支援を受けていたコンゴのツチ族武装集団の元戦闘員で構成され、2009年3月に締結された和平協定により、コンゴ軍に編入された。
しかし、M23の戦闘員はコンゴ軍に編入された後もルワンダ国境付近で活動を続け、2013年の紛争に敗れるとルワンダやウガンダに逃亡。2021年11月頃から活動を活発化させ、北キブ州の複数の集落を占領した。
コンゴ政府、米国、国連の専門家はルワンダ政府がM23を支援していると指摘しているが、ルワンダはこの主張を否定している。
1994年のルワンダ大虐殺に関与したとされるフツ族の住民数千人がコンゴ東部に逃げ込んで以来、両国の関係は緊張状態にある。
M23はコンゴに逃げ込んだフツ族の掃討を目指しているとみられ、州都ゴマ近郊まで支配地域を拡大したとされる。
同国の東部地域では国際テロ組織アルカイダやイスラム国(ISIS)とつながりのある過激派など、120以上の武装勢力が活動している。
国連は東部の戦闘に巻き込まれて避難民になった市民の数を550万人と推定している。