◎新憲法は二院制を導入するとしている。また大統領の権限が大幅に強化される。
西アフリカ・マリの選挙管理当局は23日、新憲法の是非を問う国民投票の結果を公表した。
それによると、97%が新憲法を支持したという。投票率は39.4%。投票は18日に行われた。
軍政はこの憲法をイスラム過激派の暴力に直面している同国の再建に不可欠な要石と呼んでいる。
軍政の統治に反対する団体や活動家によると、開票作業は不正に満ちたものだったという。ある投票所では担当者が反対票を賛成に書き換えていたらしい。
反対派は新憲法が来年2月に予定されている大統領選挙後も兵士たちが権力を維持するために作られたものと主張している。
過激派の暴力に直面している北部と中部の一部地域には投票所すら設置されなかった。
2020年の軍事クーデターを率いたゴイタ(Assimi Goita)大佐は先週放送されたテレビ演説で新憲法について、「三権のバランスを保つ完璧に組織化されたものであり、国民に恒久的な平和を提供することができるだろう」と述べていた。
首都バマコで投票した男性は国営テレビのインタビューで、「この憲法が過激派の暴力を抑え、マリを正しい軌道に導いてくれると確信している」と語った。
新憲法は二院制を導入するとしている。また大統領の権限が大幅に強化される。
1992年に制定された現行憲法は「政府が国家の政策を決定する」と明記。新憲法は「大統領が国家の政策を決定、実施する」としている。