◎米国は債務に上限を設定しており、上限に達するとそれ以上国債を発行できなくなる。
米共和党のマッカーシー(Kevin McCarthy)下院議長は20日、債務上限の引き上げをめぐる民主党との協議について、バイデン(Joe Biden)大統領が帰国するまで協議を中断すると述べた。
マッカーシー氏は連邦議会前で記者団の取材に応じ、「大統領が海外旅行から戻るまで、交渉は中断される」と語った。
「まあ、ホワイトハウスは連邦議会にこなかったし。残念ですが、ホワイトハウスは後退したようです...」
またマッカーシー氏は協議に参加している民主党のサンダース(Bernie Sanders)上院議員を名指しし、「左翼が協議に影響を与えたことは明らかだ」と主張した。「私はサンダース率いる社会主義者が影響を与えたと確信しています。残念ですが、大統領が帰国するまで、交渉は前に進みません」
しかし、ホワイトハウスのジャンピエール(Jean-Pierre Jabouille)報道官はマッカーシー氏の発言に反論し、「後退したのは共和党だ」と批判した。
「後退したのはマッカーシー議員のチームであり、党派の争いが協議中断を引き起こしたことは明らかです...」
またジャンピエール氏は「ホワイトハウスはいつでも協議に応じる用意がある」と強調した。「はっきりさせておきましょう。大統領のチームはいつでも会う用意があります。そして、超党派で問題を解決し、大統領のデスクに法案を置き、債務上限を引き上げましょう!」
米国は債務に上限を設定しており、上限に達するとそれ以上国債を発行できなくなる。
上限を引き上げる法案が成立しなければ、米国は6月1日までに債務不履行に陥る可能性がある。
ABCニュースは協議に詳しい関係者の話しとして、「交渉再開日は流動的であり、バイデン氏の帰国前に再開される可能性もある」と伝えている。
民主党と共和党の交渉担当は20日に1時間半ほど協議したものの、進展は見られなかったようだ。
共和党の首席交渉官を務めるルイジアナ州選出のグレイブス(Garret Graves)下院議員は記者団に対し、「(マッカーシー)下院議長の指示により、我々は後日、この問題について話し合うことで一致した」と語った。
またグレイブス氏は20日中に協議を再開するかという質問に対し、「ない」と答えた。
マッカーシー氏は6月1日の期限までに債務上限を引き上げるためには、遅くとも21日までには合意に達する必要があると述べている。
バイデン氏は21日のG7広島サミットのセッション(3日目)終了後、帰国の途に就く予定だ。