◎ニューヨーク・タイムズ紙は8日、米中央情報局(CIA)の情報として、「対外諜報機関モサドの長官が局員や国民にデモに参加するよう促した」と報じた。
イスラエル政府は9日、対外諜報機関モサドの長官がネタニヤフ政権の司法制度改革に反対するデモを支援したという米メディアの報道を否定した。
ニューヨーク・タイムズ紙は8日、米中央情報局(CIA)の情報として、「モサドの長官が局員や国民にデモに参加するよう促した」と報じた。
同紙によると、CIAから漏洩した文書は本物とみられるが、そこに書かれていることが事実か否かは分からないという。
ネタニヤフ(Benjamin Netanyahu)首相の報道官は9日の声明で、「この報道は繕ったものであり、何の根拠もない」と述べた。
また報道官は「モサドとその高官は政府に対するデモ、集会、いかなる政治活動にも参加するよう局員に勧めていない」と強調した。
ネタニヤフ政権が提案した司法制度改革は同国にかつてない混乱と怒りを呼び起こし、米国を含む同盟国も深刻な懸念を表明している。
法案が成立すれば、ネタニヤフ氏が多数派を占める議会はリベラル派で構成される最高裁の判決を覆すことができるようになる。
デモ隊はこれを「独裁の始まり」と呼び、ネタニヤフ氏に法案の撤回を迫っている。
ネタニヤフ氏は先月下旬、デモが激化したことを受け、法案の審議を一時中断。野党と協議する姿勢を示した。
一方、米司法省は7日、国防総省と連絡を取り、国家安全保障に関連するいくつかの内容を記載した文書がリークした疑惑について調査を開始したと発表した。同省はそれ以上のコメントを控えている。