◎デモ隊は3日早朝に市内で強盗事件に巻き込まれ殺害されたバス運転手に哀悼の意を表し、警察に犯罪を取り締まるよう求め、郊外の高速道路を封鎖した。
アルゼンチンの警察当局は3日、治安省のベルニ(Sergio Berni)治安活動長官が首都ブエノスアイレスで暴動に巻き込まれ、負傷したと発表した。
AP通信によると、市郊外で行われたバスおよびタクシー運転手の抗議デモが暴動に発展したという。
デモ隊は3日早朝に市内で強盗事件に巻き込まれ殺害されたバス運転手に哀悼の意を表し、警察に犯罪を取り締まるよう求め、郊外の高速道路を封鎖した。
ベルニ氏はデモ隊との連帯を示すために現地入りしたものの、怒れる暴徒に罵声を浴び、殴られ、蹴っ飛ばされ、退却を余儀なくされた。
デモに参加した男性はAPの取材に対し、「警察は殺人鬼を放置している」と語った。「殺害された運転手は生贄になったのです!」
別の男性は「犯罪組織の拠点に弾道ミサイルをぶち込め」と叫んだ。
ベルニ氏はデモ隊に近づき何か言おうとしたが、男に殴られ、別の男に蹴っ飛ばされた。ベルニ氏の周りには機動隊と市民が集まり、ジャーナリストも乱闘に巻き込まれたようだ。
ベルニ氏はテレビカメラに向かった「皆の怒りと悲しみを理解している」と語ったが、デモ隊は「嘘つき」「やめちまえ」などと叫んだ。
最新の世論調査によると、回答者の8割が政府の犯罪対策に満足していないと回答したという。
地元メディアも犯罪対策が年末に予定されている大統領選の争点の一つになると報じている。
ベルニ氏は「帰らない」「皆と話したい」と叫んだが、機動隊に引っ張られ、退却を余儀なくされた。
べルニ氏は抗議デモに積極的に参加することで知られ、「スーパーベルニ」というニックネームで呼ばれている。
ベルニはその後、記者団の取材に応じ、「頭蓋骨と頬骨を骨折したが、何の問題もない」と語った。
またベルニ氏は誰一人告訴せず、バス運転手を殺害した容疑者を必ず捕えると誓った。「どれだけ殴られても、市民が心に負った傷に比べれば、痛くもかゆくもありません。私は警察のトップとして容疑者を捕え、裁判にかけると誓います」