◎フレディは週末にモザンビーク、その翌日マラウイに再上陸し、アフリカ南部の広い範囲に大雨をもたらしたのち、15日に消滅した。
マラウイとモザンビーク当局は17日、サイクロン・フレディの豪雨による洪水・土砂崩れに巻き込まれ死亡した人が370人を超え、数百人が行方不明になっていると発表した。
フレディは先月上旬にオーストラリア北西部沖で発生。インド洋を西に進み、先月21日にマダガスカルに上陸、その後モザンビークに移動し、周辺海域で勢力を強め、マダガスカル西部の広い範囲に2度目の被害をもたらし、先週モザンビークに、その翌日マラウイに再上陸した。
マラウイ当局は16日遅くの声明で「これまでに326人の死亡を確認し、少なくとも200人が行方不明」と報告した。政府は14日間、国を挙げて喪に服すと宣言した。
モザンビーク当局は17日時点で少なくとも53人が死亡、5万人が避難生活を余儀なくされていると発表した。両国の死者数はさらに増加すると予想されている。
フレディは週末にモザンビーク、その翌日マラウイに再上陸し、アフリカ南部の広い範囲に大雨をもたらしたのち、15日に消滅した。
世界食糧計画(WFP)のマラウイ担当はSNSに声明を投稿。「多くの道路が寸断され、評価チームや人道支援チーム、救命物資の移動が制限されている」と報告した。
またWFPは「被害の全容は明らかになっておらず、調査を急ぐ必要がある」と強調した。
両国はフレディが襲来する以前からコレラの流行に悩まされていた。専門家は「今回の水害がコレラの感染拡大に拍車をかける可能性がある」と指摘している。
特にマラウイの感染状況は深刻であり、昨年3月以降の感染者は3万人を超え、1600人以上が死亡している。国連はこの災害で衛生環境がさらに悪化し、感染者の急増を招く恐れがあると警告している。
世界気象機関(WMO)は専門家委員会を招集し、フレディが観測史上最も長く暴風雨を維持したサイクロンになったかどうかを評価している。