◎多くの欧米諸国がティックトックと中国共産党のつながりに深刻な懸念を表明している。
カナダ政府は27日、公共部門の専用端末における中国のソーシャルメディアアプリ「ティックトック(TikTok)」の使用を禁じると発表した。
この決定は情報機関の調査に基づいている。首相府の報道官は声明で「このアプリはプライバシーとセキュリティに許容できないレベルのリスクをもたらす」と述べている。
ティックトックを運営するバイトダンス(字節跳動)は27日、この決定に失望を表明した。
EUの執行機関である欧州委員会も先週、同様の禁止措置を発表したばかりだ。
トルドー(Justin Trudeau)首相は27日の記者会見でティックトックのセキュリティについて、「使用を禁止せざるを得ないほどの懸念がある」と説明した。
またトルドー氏は、「これは最初のステップかもしれない」と述べ、禁止令を拡大する可能性があると示唆した。
多くの欧米諸国がティックトックと中国共産党のつながりに深刻な懸念を表明している。
米国の公務員は昨年末にティックトックの使用を禁じられた。米メディアによると、ホワイトハウスは27日、政府機関に専用モバイルからこのアプリを削除するよう命じた。
米国の多くの大学もこのアプリの使用を禁じている。インドを含む一部のアジア諸国ではより広範な禁止措置がとられている。
バイトダンスは共産党員がデータにアクセスしているという西側の指摘を否定している。しかし、同社は昨年、共産党の一部職員が欧州ユーザーのデータにアクセスしていたことを認めた。
欧州委員会の職員に対する禁止措置は来月15日に導入される予定だ。
カナダのプライバシー規制当局もユーザーデータに関する懸念、特に同社が個人情報を収集する際にユーザーから同意を得ていないという指摘に基づき、バイトダンスを調査している。
カナダ放送協会(CBC)によると、カナダの成人の4分の1がティックトックをダウンロードしているという。
首相府の報道官は声明の中で、「トルドー政権は政府の情報を安全に保つと約束する」と述べている。
CBSによると、政府は今週中に保有する全てのデバイスからティックトックを削除し、ダウンロードできないようにする予定。