◎ソマリランド政府は10日夜、一方的に停戦を宣言し、プントランドに武器を置くよう求めた。
ソマリランド当局は11日、係争地ラスアノド(Las-Anod)をめぐる反政府勢力と治安部隊の戦闘で少なくとも57人が死亡したと明らかにした。
AP通信によると、ソマリアへの復帰を目指すプントランドの反政府勢力は数日前に攻撃を開始したという。
ソマリランドは1991年にソマリアから独立。国連加盟国は同国の独立を承認していないが、台湾は2020年に外交関係を結び、米国を含む10カ国が首都ハルゲイサに駐在員事務所、ケニアとエチオピアは外交使節団の公館を設置している。
プントランドは1998年、当時のソマリア暫定政府の承認に基づき、自治を宣言した。
ラスアノドの医療関係者はAP通信の取材に対し、「この数日で400人以上が負傷し、57人の死亡を確認した」と語った。
ソマリランド政府は10日夜、一方的に停戦を宣言し、プントランドに武器を置くよう求めた。しかし、ラスアノドの住民によると、11日も各地で小競り合いが続いているという。
ラスアノドはソマリランドの支配下にあるが、一部地域の住民はプントランド派が多数派を占める。
ソマリランド政府は氏族の過激派がテロ攻撃を主導したと非難した。
これに対しプントランドの酋長たちはソマリランド軍がラスアノドに攻め込んできたと反論。軍に即時撤退を求めた。
国連は民間人8万人以上がこの戦闘に巻き込まれ、避難を余儀なくされたと発表している。ソマリランド軍の砲撃を受けたとみられる地域では電気と水が遮断された。
国連は今週の声明で、「市民への無差別砲撃をやめよ」と厳しく非難した。
国際赤十字社・赤新月社連盟(IFRC)のソマリア支部によると、この地域で働く赤十字のボランティア1人が流れ弾に当たって死亡したという。