◎ウクライナのゼレンスキー大統領など、世界の指導者がSNSでパベル氏の勝利を祝福した。
2023年1月28日/チェコ、首都プラハ、大統領選に勝利したパベル氏(ロイター通信)

チェコの選挙管理委員会は28日、大統領選決選投票の結果を公表し、NATOの元高官であるパベル(Petr Pavel)氏が右派候補を破ったと発表した。

パベル氏は57.6%を獲得。対ロシア制裁に反対するポピュリストのバビシュ(Andrej Babis)元首相に勝利した。

ハビシュ氏は結果が公表されると敗北を認めた。

現職のゼマン(Milos Zeman)大統領は3月に退任する。

地元メディアはパベル氏とハビシュ氏の戦いを「民主主義vsポピュリスト政治」と描写している。

報道によると、選挙活動に関連する殺害予告が複数報告され、SNSには偽情報が蔓延したという。

パベル氏は今週、怪しげなウェブサイトやロシアのサーバーから発信されたとみられる自身の死の噂を否定した。

一方、ハビシュ氏も数日前に殺害予告を受け、身の危険を感じたとしてその後の選挙活動を中止している。

パベル氏は勝利演説で「真実、尊厳、尊敬、謙虚といった価値観が勝利した」と語った。「チェコ人の大多数がこのような価値観を共有しています」

パベル氏はNATO軍事委員会の元議長であり、ウクライナのNATOおよびEU加盟を強く支持している。

EUの執行機関である欧州委員会のフォンデアライエン(Ursula von der Leyen)委員長はパベル氏に宛てた祝辞で、「欧州の価値観に対する強いコミットメントを歓迎する」と述べた。

ウクライナのゼレンスキー(Volodymyr Zelensky)大統領など、世界の指導者もSNSでパベル氏の勝利を祝福した。

スロバキアのリベラル派であるチャプトバ(Zuzana Caputova)大統領は結果発表から数時間も経たぬうちにステージにサプライズ登場し、パベル氏と抱擁を交わした。

一方、首都プラハの中心部にあるハビシュ氏の事務所前では多くの支持者が悲しみと失望を表明した。

ハビシュ氏はツイッターに声明を投稿。反対派を非難した。「ハビシュのいない世界になってほしい。バビシュのことは忘れろ。ハビシュのいない世界で生きていこう...多くの反対派が私を誹謗中傷したのです」

パベル氏は西側の同盟国と並び立つことを支持し、ロシアの侵略に対抗するため、ウクライナにさらなる軍事支援を提供すると表明している。

これに対し、ハビシュ氏は今週、「NATOは加盟国が攻撃を受けても防衛義務を果たさない」と主張し、批判を浴びた。

まもなく退任するゼマン氏は昨年、ロシア寄りの姿勢を示し、世論を分断した。

チェコ政府はウクライナに独製戦車「レオパルト2」を供与すると発表している。

2021年8月26日/チェコ、首都プラハ、ゼマン大統領(Getty Images/AFP通信)
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