◎スウェーデンの首都ストックホルムで21日に行われたデモでは、デンマーク系スウェーデン人の極右指導者がコーランの写しを焼いた。
2023年1月21日/スウェーデン、首都ストックホルム、コーランの写しを持つ極右指導者(ロイター通信)

エジプトのイスラム教スンニ派宗教団体アル・アズハルは25日、スウェーデンとオランダでイスラム教の聖典コーランを侮辱するデモが行われたことを受け、世界中のイスラム教徒にこの両国の製品をボイコットするよう呼びかけた。

首都カイロにあるアル・アズハル・モスクの指導者は両国のデモを「イスラム教徒に対する攻撃」と非難し、「表現の自由と称して非人間的な犯罪を承認する国の製品を購入すべきではない」と主張した。

スウェーデンの首都ストックホルムで21日に行われたデモでは、デンマーク系スウェーデン人の極右指導者がコーランの写しを焼いた。

オランダで22日に行われたデモではイスラム嫌悪の反移民団体「西洋のイスラム化に反対する愛国的欧州人(PEGIDA、ペギーダ)」のリーダーとされる男がコーランの写しを破り、踏みつけた。

湾岸諸国を含むイスラム教徒が多数派を占める多くの国がこのデモに怒りを表明している。

パキスタン東部ラホールで24日に行われたデモには数百人が参加し、コーランへの攻撃を非難した。

トルコの最大都市イスタンブールと首都アンカラでも同様のデモが行われている。

ストックホルムの事件後、トルコのエルドアン(Recep Tayyip Erdogan)大統領はNATO加盟を目指すスウェーデンに「期待しない方がいい」と圧力をかけた。NATO加盟にはトルコを含む現加盟30カ国の承認が必要である。

エルドアン氏はコーラン焼却だけでなく、在スウェーデン・トルコ大使館前で反トルコデモが行われたにも怒りを表明している。

欧州諸国は暴力やヘイトスピーチを扇動する行為の大半を禁じているものの、表現の自由を長年にわたって擁護してきた。スウェーデンとオランダのデモは警察の承認を得ている。

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