◎ニュージーランドはタバコに厳しい国のひとつであり、2020年にタバコ税を大幅に引き上げ、1箱当たりの価格は28NZドル(約2500円)を超えた。
ニュージーランド国会は13日、次世代のためにタバコの販売を段階的に禁止する法案を賛成多数で可決した。
これにより、2008年以降に生まれたNZ市民はタバコやタバコ製品を購入することができなくなる。
つまり、タバコを購入できる人の数は年々減少していくことになる。
法案の起草者である保健省は声明で、「煙のない未来に向けた扉が開かれた」と述べた。
また保健省は「タバコを禁じることで喫煙や受動喫煙による健康被害が激減し、医療制度にかかる負荷を軽減することができる」と強調した。
政府が先月公表した統計によると、毎日喫煙する成人の割合は昨年の9.4%から8%に減少したという。
NZはタバコに厳しい国のひとつであり、2020年にタバコ税を大幅に引き上げ、1箱当たりの価格は28NZドル(約2500円)を超えた。
保健省は2025年までに喫煙率を5%未満に抑え、最終的にはゼロにすることを目指している。
法案はタバコ製品を販売できる小売店の数を現在の全国約6000店から600店に制限し、製品中のニコチン濃度を低くするよう生産者に強制する。
タバコを吸わないNZのツイッターユーザーは法案を絶賛し、「クサい煙にさようなら」「喫煙者の息クサすぎ」「タバコを滅ぼすまで戦いは終わらない」などと投稿している。
保健省はこの法律でマオリ族と非マオリ族の平均寿命が縮まる可能性があると指摘している。マオリ族の喫煙率は高く、2021年は22.3%、今年は19.9%まで減少したものの、それでも全体に比べるとはるかに高い。
ただし、若い世代に人気の電子タバコは対象外である。
電子タバコも無害ではないことが近年の研究で明らかになっている。保健省は電子タバコにも発がん性物質が含まれていると警告している。
この法案に反対する一部の議員は、タバコで収益を上げている業界や小売店が閉鎖に追い込まれると非難している。
NZファースト党の副党首は声明で、「タバコには反対だが、禁じても吸う人はいるし、政府の乳母車政策は禁酒法時代(米国)のような問題を引き起こすだろう」と述べ、法案に懸念を表明した。