◎モロッコは西サハラの領土のおよそ8割を支配し、残りはアルジェリアの支援を受ける武装組織「ポリサリオ戦線」が統治している。
サハラ・アラブ民主共和国(西サハラ)の武装組織ポリサリオ戦線(Getty Images/AFP通信)

国連安全保障理事会は27日、西サハラサハラ・アラブ民主共和国)戦争の当事者に対し、永続的な解決を目指す交渉を再開するよう要請した。

決議文を起草した米国は全会一致で採択されなかったことに不満を表明した。ケニアとロシアが棄権した。

この決議は、「西サハラの自決」を視野に入れた「持続的かつ相互に受け入れ可能な政治的解決」を達成することを目的とし、当事者に対し、国連の支援の下、前提条件なしに、誠実に交渉を再開するよう求めるものである。

安保理は1年前にも同じ決議案を採択している。

モロッコは西サハラの領土のおよそ8割を支配し、残りはアルジェリアの支援を受ける武装組織「ポリサリオ戦線」が統治している。

モロッコはポリサリオ戦線をテロ組織に指定しているが、アルジェリアを含むアフリカ連合(AU)の主要国は西サハラの独立を認めている。

1975年にスペイン軍がこの地域から撤退した後、西サハラ戦争が勃発した。西サハラは1976年に独立を宣言したが、モロッコはこれを認めていない。

国連が主導した西サハラ戦争の停戦協定は1991年に発効し、それ以来、国連平和維持ミッション「西サハラ住民投票監視団(MINURSO)」が緩衝地帯を監視している。

国連特使は利害関係者と何度も会談しているが、グテレス(Antonio Guterres)国連事務総長は最近公表した年次報告書の中で、この地域の状況が悪化していることに深刻な懸念を表明した。

報告書によると、モロッコ軍とポリサリオ戦線は敵対行為を繰り返しているという。

西サハラの大半を支配するモロッコ政府は、自国の主権下で限定的な自治を行うようポリサリオ戦線に提案している。

一方、ポリサリオ戦線は1991年の停戦時に計画されながら実施されなかった「国連の管理下による独立の是非を問う住民投票」を実施するよう求めている。

モロッコ政府は安保理決議を歓迎した。

ポリサリオ戦線の代表は、「モロッコが領土を不法占領しているにもかかわらず、国連は無策を続けている」と糾弾した。「我々は自決と独立という譲れない一線を守る正当な闘争を継続し、強化する以外に選択肢はないと考えています...」

この決議により、MINURSOの活動期間は2023年10月31日まで延長された。

サハラ・アラブ民主共和国(西サハラ)の集落(Getty Images)
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