◎トルコのエルドアン大統領はNATO加盟を目指すスウェーデンとフィンランドに圧力をかけている。
スウェーデン政府は30日、NATO加盟を目指す取り組みのひとつとして、トルコへの武器輸出を認めると発表した。
スウェーデンは3年前、トルコ軍がシリアで活動する「クルド人民防衛部隊(YPG)」に軍事攻撃を仕掛けた後、トルコへの武器輸出を禁じた。
トルコのエルドアン(Recep Tayyip Erdogan)大統領はNATO加盟を目指すスウェーデンとフィンランドに圧力をかけている。
エルドアン氏はスウェーデン国内に潜伏しているクルド人武装勢力の身柄引き渡しと武器禁輸措置を解除するよう求めていた。
NATO加盟には現加盟30カ国の同意が必要である。
スウェーデンの行政当局は30日付けの声明で、「トルコを含むNATO加盟国への武器輸出を認める政策はスウェーデンの安全保障を大幅に強化する」と述べた。
長年軍事的中立を維持してきたスウェーデンとフィンランドはロシアのウクライナ侵攻を受け方針を大きく見直し、NATO加盟を決断した。
トルコ議会はまだ両国のNATO加盟を承認しておらず、武器輸出再開はトルコ議会の承認を得ることを目的としていると広く見られている。
スウェーデンの代表団は来週アンカラを訪問し、トルコが指名手配しているクルド人の身柄引き渡しについて協議する予定だ。